ガツンと怒ってもいい。その後のフォローを

hitomi ブログ読者の方からの質問で、「1歳半くらいの子どもが人や人形を叩くのをなかなかやめないので困っている」というのがあったのですが、そうした行動も、同じように親に見てほしいからなんでしょうか?

原田 そうですね。1歳くらいの小さなお子さんだと、お母さんが「やめて!」と反応してくれるのがうれしくて、叩いたり、引っ張ったりするのをやめないことはあります。とにかくやってみたくて仕方がない。コンセントをいじったり、スリッパをなめたりする行動も、全部「好奇心の芽」なんです。

 何でもかんでもあれはダメ、これはダメと言い続けると、子どもの学びの機会を奪ってしまうことにもなるので、見守りつつも危ないときは止めたり、物理的にモノを手の届かない場所に置くようにしたりするといいと思います。

hitomi モノもそうですけど、ごはんも手づかみであっちに入れたり、こっちに入れたり。グッチャグチャにして困っちゃいます。

原田 あれ、ホントすごいですよね(笑)。「ごはんをグチャグチャにかき回すのはダメよ!」と食事のマナーについて厳しくしつけるお母さんがいてもいいし、自由にやらせるお母さんがいてもいいと思っているんです。子育てに正解はないので、100人のお母さんがいたら100通りの子育てがあっていい。ご自分の家庭で大事にしたいことをそのまま実践されるのがいいのかなと。私だったら、「ママもごはん、グチャグチャにしてみようかな!」って言っちゃうかもです

hitomi それは勇気がいるわぁ(笑)。最近は、息子のごはんグチャグチャぶりがひどくなってきたので、ただただ見守っていますけれども。夫が「危ないこと以外はとにかく何でもやらせよう」という考え方なのもありまして。ただ、先日息子が壁に落書きをしていたのを見つけたときは、さすがに「コラー!」と怒っちゃいました。小さくても親の怖い表情を見て、ただ事じゃないと分かったんでしょうね。「えーん」と泣き出ししょんぼりして、しばらく目を合わせてくれませんでした。

 「子どもは怒られると否定されたと感じるから、なるべく怒らないで褒めましょう」という考え方も分からなくはないですが、ダメなときはガツンと怒ることも必要なのかなと思っているんですよね。そんなふうに怒るのは、やっぱり子どものメンタルにはよくないことなんでしょうか?

原田 いえいえ。子ども時代に親にガツンと怒られる経験はあっていいと思いますよ。もし、カッとなって怒り過ぎたと思ったら、寝る前に抱きしめて、「ママは〇〇が大好きだよ。生まれてきてくれてありがとうね」と伝えるのもよいですね

hitomi そうなんですね。娘にはなかなか時間の余裕もなくて、言えていないことが多いかもです。言おうと思ったら、いつの間にか寝ちゃっていたりして。「言い過ぎちゃって、ごめんね」という気持ちで布団をかけたり、寝顔を見つめたりはしているんですけど……。

原田 お子さんに言いそびれてしまったときにその思いを伝える、とっておきの方法があるんです。実は寝た後でも、お母さんが耳元でささやいた言葉って全部、子どもの心(潜在意識)に入っていくんですね。もし、言いそびれてしまったと感じたら、「〇〇ちゃんのこと、大好きだからね。すごく大切に思ってるよ」などとプラスの言葉がけをしてみるのもおすすめです。

hitomi そうなんですか! それはぜひ実践してみたいですね。あと先生にお聞きしたいのですが、男の子と女の子って気質の違いがあるじゃないですか。特に授業参観で見ていると、小学校低学年くらいの男の子のやんちゃぶりは半端ないなと。怒られても怒られても、騒ぐのをやめなかったり、先生をからかったり、手がつけられなさそうですが……。先生は小学校の教員をされていたそうですが、どうやってそういう子ども達を指導されてきたんですか?