『ちびくろ・さんぼ』が保育のコツを教えてくれた

 たくさんの絵本を読みましたが、子どもたちが特に喜んだのは、『ちびくろ・さんぼ』でした。1カ月「ちびくろ・さんぼ熱」に浮かされっぱなし。朝、園に来て真っ先に言うのは、「今日は何回読んでくれるの?」。

「1回」と言うと、私にくっついて、2回、3回と言うまで離れない。帰るときは「さよなら」よりも、「明日も読んでね」という始末でした。


「第一章 子どもと本が教えてくれた」より抜粋

 そのうちに子どもたちは、「ちびくろ・さんぼごっこ」を始めました。誰でも参加できて、ちびくろ・さんぼになる子もいれば、トラになる子もいる。普段おとなしい子も、このときばかりはお呼びがかかって大変。トラがぐるぐる回るときに中央に立つヤシの木なのです。みんな絵本を隅々まで知り尽くしているので、誰でも入れる遊びでした。

 いつもトラばかりやっている子をヤシの木の役にして、ヤシの木の子はトラやちびくろ・さんぼに役を入れ替えると、それまで見えなかった面が現れます。私はこの本から、保育のコツ、劇遊びの効用などたくさん学びました。

『ちびくろ・さんぼ』のラストには、トラのバターで作ったホットケーキ169枚を食べるシーンがあります。当時はホットケーキを知らない子も少なくありませんでした。

 そこである日、天谷先生がおうちから材料一式を運んで、子どもたちの前で焼いてくださった。みんなは大喜び。

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◆第一部 子どもと本が教えてくれた
 ~私の保育士時代、子ども時代

 ◎保育園の子どもたちに教えてもらったこと
 ◎みんな、本が教えてくれた
 ◎『いやいやえん』『ぐりとぐら』が生まれるまで など
◆第二部 ママ、もっと自信をもって
 ~悩めるママと中川李枝子さんの子育てQ&A

 Q. イヤイヤ期の3歳の長男についいら立ってしまいます
 Q. 保育園と幼稚園、どちらがいいのでしょうか?
 Q. わが子の成長をついほかの子どもと比べてしまいます
 Q. 子どもと一緒に読むおすすめの絵本を教えてください など

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