リクルートホールディングスの傘下で、ウェブでのマーケティングなどをするリクルートコミュニケーションズ(東京都中央区)は、2016年4月1日から「男性の育児休暇取得を必須化」することを発表しました。清水淳社長に詳しく聞きました。

男性社員の育休取得必須化は、ありそうでなかった制度

リクルートコミュニケーションズ・清水淳社長
リクルートコミュニケーションズ・清水淳社長

日経DUAL編集部 男性の育児休暇取得の必須化は、ありそうでなかった制度だと思います。内容を詳しく教えてください。

清水社長(以下、敬称略) もともと弊社には、国が定める育児休業制度のほかに、子どもが生まれたときに2日の休暇を取得できる「育児休暇(出産時休暇)」制度があったのです。今回の制度は、その育児休暇を拡充するもの。もともと2日だった休暇を最大20日にまで拡充し、そのうち5日の取得を必須化しました。

 取得が可能な期間は、子どもが満1歳になる月の末日まで。1日単位でも、連続でも取得できます。20日営業日を連続して取得する場合、土日と合わせれば、1カ月近く休むことができます。

 この育児休暇は有給休暇で、通常付与される有給休暇とは別に取得できます。

 対象は正社員、専門社員、契約社員で、特に勤続年数などの制限はありません。

―― 「必須化」という言葉はあまり聞き慣れませんが、なぜ「義務化」という言葉を使わなかったのでしょう?

清水 「義務」という言葉には、「会社からの強制」というイメージが強いと思うのです。でも、この制度はもともと従業員からの要望を踏まえて策定したという背景もあります。そのため、必須化という言葉を使うことにしました。

―― 5日間、としたワケはどの辺りにあるのでしょうか?

清水 連続で5日取得すれば、1週間を通して育児・家事に携わることができ、育児・家事への理解が深まると考えたからです。また、連続で20日間取れば、1カ月間ということになります。育児や家事の中には、保育園への持ち物や子どもの習い事など、1週間や1カ月という区切りで動く物事が意外と多いのではないでしょうか? その一連の流れを知ることが大事なのではないかと思っています。