新しいみどり保育園には、私も、夫と生まれたばかりの子どもと3人で、しばらく同居させてもらいました。移転してもみどり保育園の方針は変わらず、お金も時間も無駄づかいしない決まりです。通勤時間がゼロなのはとってもありがたかった。私たち親子3人も、天谷家のお世話になったのです。

「子だくさんの家のにぎやかな子ども部屋」が私の理想の保育園

名作絵本約100作品を生み出した児童文学作家・中川李枝子さん
名作絵本約100作品を生み出した児童文学作家・中川李枝子さん

 移転後は天谷園長と中川主任に、若い保育士を2名、お手伝いの女性を加え、園児も定員60名になりました。みどり保育園の面接を受ける前から、私が理想としていた保育園は、「子だくさんの家のにぎやかな子ども部屋」でした。まさにそのままの保育園が完成したのです。

 園舎は新しくなっても、みどり保育園は無認可のままでした。余計な規則や遊具は邪魔というのが天谷園長の考え。園庭の半分は砂場。登り棒と網を組み合わせた大型遊具だけを設置し、プールも作りました。水を抜いて中にスノコを敷けば、ままごとのお座敷です。

 ほかに子どもたちが走り回る遊び場が必要でした。運よくブリヂストン所有の300坪の空き地がすぐ近くにありました。天谷先生が本社の副社長に直接お会いして、使用許可をいただきました。それも無料で自由に使わせていただくお約束です。天谷先生の行動力は見上げたもの。子どもによかれと決まれば、即実行です。

 空き地があれば、おもちゃは必要ありません。子どもは広い所が大好き。

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『ぐりとぐら』の誕生秘話が、ここにある。
~天才児童文学作家・中川李枝子の歩んだ道、
 日本中のママを感涙させた子育て奮闘記~

戦前戦後を経験し、母として、保育士として、作家として活躍した80年を振り返った貴重な一冊!

◆第一部 子どもと本が教えてくれた
 ~私の保育士時代、子ども時代

 ◎保育園の子どもたちに教えてもらったこと
 ◎みんな、本が教えてくれた
 ◎『いやいやえん』『ぐりとぐら』が生まれるまで など
◆第二部 ママ、もっと自信をもって
 ~悩めるママと中川李枝子さんの子育てQ&A

 Q. イヤイヤ期の3歳の長男についいら立ってしまいます
 Q. 保育園と幼稚園、どちらがいいのでしょうか?
 Q. わが子の成長をついほかの子どもと比べてしまいます
 Q. 子どもと一緒に読むおすすめの絵本を教えてください など

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