4月15日(金)東京都内のホテルで、医療機器メーカー・米クック メディカルの日本法人クックジャパン(東京・中野)により、「働き方のイノベーション~ワーク・ライフバランスが取りにくい業界にも打開策はあるのか~」と題したフォーラムが開催されました。クックジャパン社長の矢込和彦さんがモデレーターとなり、米クックメディカル副社長のバリー・トーマスさん、「元祖イクボス」こと三井物産ロジスティクス・パートナーズ社長の川島高之さん、ワーク・ライフバランス共同創業者の大塚万紀子さん、『フィンランド流 社長も社員も6時に帰る仕事術』著者でノンフィクション作家の田中健彦さんをパネリストに迎え、企業人事部や管理職を中心とした約40人の参加者が集いました。その様子をダイジェストでお伝えします。フォーラムは、クックジャパン社長の矢込さんにより、「日本人の現在の働き方は世界的に見ても生産性が低く、改善が求められている」というテーマの発表から始まりました。

日本人は恵まれているのに“休み下手”

クックジャパン社長の矢込和彦さん
クックジャパン社長の矢込和彦さん

矢込さん(以後、敬称略) 企業が社員に付与する年間の有給休暇の日数には国ごとにかなり差があり、日本は比較的日数が多いほうです。フランスとブラジルは30日間と圧倒的に多く、それに次いで日本やインドでは20日間が付与されます。また、日本は祝祭日が多く、休暇を取る機会には恵まれているといえます。しかし、その有給休暇をどれくらい有効活用しているかというと話は別で、日本人の有給休暇取得率はとても低く、年次有給休暇の取得率は60%にとどまります。

(c)クックジャパン
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矢込 また、日本の法定労働時間は週40時間と定められていますが、1週間に10時間以上残業している人は未だに多いのです。これを一日にならせば毎日2時間以上は残業していることになります。9時から18時が定時の方なら、毎晩20時ころまで残業していることになり、その結果、帰宅は21時、22時を回ることが予想されます。その方が小さいお子さんをお持ちであれば、お子さんはもう寝ている時間です。親子間のコミュニケーションはその分減ることになります。

(c)クックジャパン
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