「子ども達が放課後に本当にやりたいこと」とは
「グローバル化」や「入試改革」に関連したニュースが日々注目される中、変革の時代を生きていく子ども達。DUAL読者も働く中で変化の速さを肌で感じ、「愛する子ども達には、日本の教育制度に対応したスキルに加えて、どんな世の中になってもたくましく生き抜く力を備えてほしい」と切実に感じている人もいるでしょう。
将来を案ずるがゆえに、今のうちから備えておかないと…と親としてはつい力が入ってしまいがちですが、その思いが時には子どもの心身への負担となっていることも。放課後の子どもはどのような心理状態で過ごし、どういうことに気を付けて1週間のリズムを作っていけばよいでしょうか。
「平日を週5日として、子どもが自分のやりたいことを自由にできる時間が少なくとも1週間のうちに2~3日はあるといいですね」と提案するのは、アメリカのアフタースクールをモデルに、放課後の小学校を活用したアフタースクールを展開する「放課後NPOアフタースクール」の平岩国泰さん。
「放課後NPOアフタースクール」では全国の小学生1000人を対象に「放課後・夏休みにやりたいことは何か」に関するアンケートを実施(2014年6月~2015年5月)しました。回答は137種と多様で、1位「サッカー」、2位「ドッジボール」、3位「鬼ごっこ」、4位「なわとび」と外遊びが人気。特に低学年のころは、「放課後は友達とみんなで遊びたい」という傾向が強いことが明らかになりました。
一方、注目は5位の「やりたいことがない」「わからない」という回答。
平岩さんは、「月~金曜にすることを親主導ですべて先に決められる子も少なくありません。自分で放課後の過ごし方を考える機会が減り、『何をやりたいか』を深く考えたこともない。そういった環境が『なし』という回答を招いたのでしょう」と分析します。
ゲームは6位にとどまり、塾は0票。本来、子どもが放課後にしたいことは昔と大きく変わってはいない印象です。
アンケートでは、『友達と』『みんなで』という言葉を多くの子が書いていて、実際の隠れ1位回答でした。「『何をしたいか』の前に、『誰としたいか』。放課後にそのまま友達と遊べるというのは子ども達にとってとても大事なこと。本が読みたい子は読書する、友達と遊びたい子は友達と遊ぶなど、アフタースクールや学童なども活用して、子ども達がやりたいことをかなえさせてあげる。そこはまず、親として応援するスタンスをつくってほしいですね」