働くパパ・ママ337人によるアンケート調査で明らかになったDUAL読者のリアルな放課後の実態。約半数の人が「放課後の過ごし方」に満足しておらず、子ども達が安心して過ごせる場所やより有意義な過ごし方を求めて、日々模索している様子が浮かび上がりました。

 そこで、第3回の記事では、「理想的な放課後の過ごし方」をテーマに、放課後の現場、発達心理、教育の側面から各専門家がアドバイス。子どもにとって無理がなく、将来も見据えた放課後の過ごし方について一緒に考えましょう。学童/習い事/お留守番、それぞれの「押さえるべきポイント」も表で紹介します!

【新・放課後の過ごし方特集】
第1回 DUAL先輩キッズの意外な放課後の実態
第2回 放課後の留守番 安全に、実り多い時間にするために
第3回  週2~3日は子どもに「やりたいことができる」放課後を ←今回はココ
第4回 受験だけじゃない! 放課後に、脳を育む習い事
第5回 どんな社会になっても…生きる力を育む習い事

「子ども達が放課後に本当にやりたいこと」とは

 「グローバル化」や「入試改革」に関連したニュースが日々注目される中、変革の時代を生きていく子ども達。DUAL読者も働く中で変化の速さを肌で感じ、「愛する子ども達には、日本の教育制度に対応したスキルに加えて、どんな世の中になってもたくましく生き抜く力を備えてほしい」と切実に感じている人もいるでしょう。

 将来を案ずるがゆえに、今のうちから備えておかないと…と親としてはつい力が入ってしまいがちですが、その思いが時には子どもの心身への負担となっていることも。放課後の子どもはどのような心理状態で過ごし、どういうことに気を付けて1週間のリズムを作っていけばよいでしょうか。

 「平日を週5日として、子どもが自分のやりたいことを自由にできる時間が少なくとも1週間のうちに2~3日はあるといいですね」と提案するのは、アメリカのアフタースクールをモデルに、放課後の小学校を活用したアフタースクールを展開する「放課後NPOアフタースクール」の平岩国泰さん。

 「放課後NPOアフタースクール」では全国の小学生1000人を対象に「放課後・夏休みにやりたいことは何か」に関するアンケートを実施(2014年6月~2015年5月)しました。回答は137種と多様で、1位「サッカー」、2位「ドッジボール」、3位「鬼ごっこ」、4位「なわとび」と外遊びが人気。特に低学年のころは、「放課後は友達とみんなで遊びたい」という傾向が強いことが明らかになりました。

 一方、注目は5位の「やりたいことがない」「わからない」という回答。

 平岩さんは、「月~金曜にすることを親主導ですべて先に決められる子も少なくありません。自分で放課後の過ごし方を考える機会が減り、『何をやりたいか』を深く考えたこともない。そういった環境が『なし』という回答を招いたのでしょう」と分析します。

 ゲームは6位にとどまり、塾は0票。本来、子どもが放課後にしたいことは昔と大きく変わってはいない印象です。

 アンケートでは、『友達と』『みんなで』という言葉を多くの子が書いていて、実際の隠れ1位回答でした。「『何をしたいか』の前に、『誰としたいか』。放課後にそのまま友達と遊べるというのは子ども達にとってとても大事なこと。本が読みたい子は読書する、友達と遊びたい子は友達と遊ぶなど、アフタースクールや学童なども活用して、子ども達がやりたいことをかなえさせてあげる。そこはまず、親として応援するスタンスをつくってほしいですね」

 <次ページからの内容>
 ・理想は週3「自由に過ごせる」+週2「習い事」
 ・高学年になると、学童を敬遠する子どもも
 ・1週間のスケジュール の立て方やポイント
 ・親子で論理的思考を学んで、グローバル化に備える