私の場合、完母にこだわったことでしんどい目には遭いました。ただその分、母乳が安定して出るようになってからは随分と楽になりました。

 授乳の間隔も気にしなくていいので、グズったら抱っこのついでにおっぱいをくわえさせればOK。授乳のたびに、ミルクを計量して、哺乳瓶を消毒しなくていいし、外出時もミルクやお湯を持ち歩かなくていい。完母は、面倒くさがりの私には合っていました。

何を選んでもデメリットはあるのだ、当然だが

 ただし! 完全母乳育児の大きな落とし穴はありました。産後、気持ちにも余裕が出てきて、「そろそろ美容院にも行きたいな~♪」なんて考えたときハッとしました。

 ミルク飲めないと、誰にも預けられない! 慌てて飲ませてみましたが、時すでに遅し。

 哺乳瓶を口に運び吸わせてみるものの、中身が母乳じゃないと知ったときのわが子の、「だましやがったなァァァァァァァァァ!」と憤慨する表情は忘れられません。

 頭を抱えつつ、少しでも飲んでくれると助かるんだよ母は…と媚びるようにあらゆるメーカーのミルクを試し、濃さもいろいろ調節してみましたがダメ。母乳以外は号泣してしまい、断固拒否されます。

 仕事に復帰するときもすごく大変でした。搾乳した冷凍母乳をストックしておこうと電動搾乳機を購入しましたが、搾乳では必要な分量が取れないのです。試行錯誤の末、片方のおっぱいを吸わせ、もう片方を電動搾乳器に吸わせると分量がクリアすることを発見し、この方法でなんとか乗り切っています。

 綱渡りのような完母生活。あとから聞くと、早期の仕事復帰を考えているママさんたちは、母乳主体でも、預けるときに困らないように1日1度はミルクを飲ませているそうですね。私も産後の生活をイメージして、妊娠中からきちんと母乳計画を立てておくべきだったなぁ。

 慌ただしく過ぎた半年。母乳に泣いて母乳に笑った日々でしたが、今は授乳するのが本当に楽しい!

 授乳って、自分の体内で作られる白い体液をわが子に与えるという、とんでもなく野性的な行為なわけですよね。本能がビンビンに呼び覚まされる感じがします。「人間もヒト科の哺乳類なのだなぁ」と実感せずにはいられません。

 昔、雑誌のグラビアを飾っていたこともあるこのオッパイも、本来の使い方はこっちだったのね、と新鮮な納得感もあります。

 母乳に関してだけでも、今後は「卒乳にするのか断乳にするのか」「いつごろまで飲ませるか」を考えなきゃいけない。離乳食だって「何をいつごろ食べさせるか」いろんな説があって悩んでしまう。この先も、育児は正解のわからないことの選択の積み重ねなのでしょうね。大きくなるにつれて、教育やしつけなどどんどん選択の機会が増えてくるんだろうなあ。

 今後迷ったときは、母乳で苦しんだ経験から学んだ「心が穏やかでいられるのが一番」との教訓を忘れず、子育てを楽しめる選択をしていきたいと思っています。


この日は10倍粥とにんじんペースト。にんじんは野菜のスープで甘く煮てミキサーにかけると、よく食べてくれました。順調に進むかと思われた離乳食ですが、突然「スプーンを自分で持って食べたい」と無謀な主張をし始め、渡さないと号泣するようになりました。どうしたらいいのでしょう…