離職率の高い都市部では、保育士の給与が全職種平均の半分!?

 ちなみに、保育士の離職率はどれほどでしょう。厚労省の統計によると、2013年10月から2014年9月に離職した常勤保育士は2万4323人となっています(私立)。年間に約2万4千人も辞めているのですね。2013年10月時点の私立の常勤保育士は20万3334人。したがって離職率は、前者を後者で除して約12.0%と算出されます。年間に、およそ8人に1人が辞めると。

 これは全国の値ですが、保育士の離職率には地域差があります。図3は、都道府県別の常勤保育士の離職率を地図にしたものです。

 最高の奈良と最低の鳥取では、保育士の離職率が倍近くも違っています。濃い色の分布をみると、都市部で高いようです。都市部では保育士不足が深刻化していますが、それだけ過重労働が多いのでしょうか。

 各都道府県の保育士の離職率は、給与とも相関しています。保育士の給与は、地方では全職種の8割ほどですが、東京や大阪のような大都市では6割、下手したら半分です。この給与倍率と、保育士の離職率の相関係数を出すと、有意なマイナスの値になります(r=-0.4132)。待遇の悪さに不満を高じさせ職を辞す。責められることではありません。