子どもたちが幼稚園に上がる前から、いつも年末にママ友たち何家族かで集まって、うちのマンションのベランダで餅つきをしていました。子どもたちに鏡餅を作らせようってことで、子ども用の臼と杵を買って。

 完成した鏡餅を飾ってみたら、何かものたりない。そういえば、鏡餅ってお餅の下に、赤と白のぴらぴらした紙とかあったよね……、と、はさみを使い始めて間もない子どもたちと、赤い画用紙を四角形に、ひし形に切った緑の画用紙を裏白に、ピンクと白の画用紙を小さく切って糊で貼って飾ったら、「あ、鏡餅っぽくなった!!」って。

 そんなふうに、わざわざ買わずにあるものでよく手作りしていました。それがけっこう楽しかった。

昔の手紙を読みながら、子どもたちの成長を思い返す

 そんなことを、今回の娘からの誕生日の手紙を読みながら思い出しました。あのころ、親子で切ったり、貼ったり、書いたりしていたことが、今回のあの感動の手紙という形で私に返ってきたのかと思うと、本当に感慨深く思います。そして、その手紙をときどき引っ張り出して読みながら、子どもたちの成長を思い返している私がいたりして。

 家族というのはやっぱりかけがえのない存在であり、つらいときに支えになってくれる存在ですね。

(ライター/松田亜子、撮影/稲垣純也)

* 次回は、5月25日に岸谷さんが10年ぶりに発表するオリジナルアルバム「PIECE OF BRIGHT」について伺います。