リビングに収納スペースがあれば散らかるのを防げる
『使う場所にしまう』という発想は、家の中のさまざまな場所に当てはめられる。
例えばリビングは最も散らかりやすい場所の一つといえるが、もともと家族共用のものの収納が少ないうえに、家族がそれぞれ自分のものを持ち込んでいることが原因といわれる。
「リビングで使うものはリビングでしまえるよう、モノの指定席となる収納スペースを設ければ片づけやすくなります。テレビコーナーの周りやキッチンカウンターのダイニング側に造作で収納棚を設けるのも有効でしょう。当社のアンケート調査によると、ファミリー世帯のリビングの68%に、スマホや携帯電話の充電器が置かれているというデータもあります。造作であれば収納棚にコンセントも付けやすく、充電スペースにすれば、ダイニングテーブルに放置されなくなってスッキリします」
リビング用の収納としては、リビングの隣にクロークを設ける「リビングクローク(リビクロ)」という考え方もある(リビクロについては「収納が決める快適度!住宅選び、5つの肝とは?」参照)。
半畳から1畳ほどの広さの「リビクロ」を確保して棚を設置すれば、一覧性がありどこに何をしまったのかすぐ分かるので出し入れもしやすい。リビングが少し狭くなったとしても、今まであった大小様々な収納家具が不要となるので、壁面がスッキリし、広くなったかのように感じることができる。
「子どもが学校から帰ってくると、子ども部屋でなくまずリビングにランドセルを置くケースも多いようです。それならば子どもの『生活動線』に合わせて、リビングのなかにランドセル置き場を確保すれば、子どもも実行しやすく、親も“部屋に持って行きなさい”などとしかることもなくなります」
実際、積水ハウスが実施したママ400人を対象にした「子どもの居どころと持ち物調査」によれば、学校のかばんをよく置いている場所は、子ども部屋が57%と最も多いが、リビングによく置いていると答えた人も30%もいる。