ホームオフィス制度も進んでいる

―― 男性が育児休暇を取得したり、ホームオフィス制度を利用したりすることで、仕事ができない人、というレッテルを貼られることはないのですか?

ミッコ それは、全くありません。フィンランド人の約8割の男性が育休制度を使っていますよ。

 男性の育休は当たり前になっていて、取らないほうが白い目で見られるんです。「あいつは家族の仕事ができないやつだって」ってね。取らないと悪い人というイメージなんです。「あの人、仕事だけを考えているの?」と、偏見を持たれてしまいますよ。

 そして、ホームオフィス制度もとても一般的で、フィンランドは世界でもこの分野での先進国です。通勤時間の長いフィンランドならではかもしれませんが、人によっては週に2、3日ホームオフィスで働いている人もいます。

 テレビ電話で会議をし、メールで書類をやり取りする……。現代のテクノロジーがあれば、オフィスにいなければならないという概念はもう必要ないのかもしれませんね。もちろん、会社との信頼関係は必要ですが。私自身もボスとして、部下にはホームオフィス制度を積極的に使わせていますが、仕事の効率の面などでとてもいい結果を得ているんですよ。

――次回も引き続き、フィンランドの子育て事情や制度について聞いていきます。

(取材・文/須賀美季)