17年続いたみどり保育園も、お母さん達の悩みから始まった

 子育て当事者であるお母さん、お父さん達が知恵を絞って、社会全体に働きかけてください。子育てって一過性のものだから、わが子の成長とともに問題意識が薄れていきがちです。そこを人生の先輩としてずっと声を上げ続けてほしい

 選挙で子育て問題に真剣に踏み込んでいる政治家に投票するのも一つでしょうし、近くに住む子育て家族に出会ったら声かけ合うといった、小さな意識と行動の積み重ねでも変わります。

 みどり保育園だって、その前身はお母さん達が始めた自主保育で、建物のない青空保育でした。戦後の街には、鉄くずやら穴やら危険がいっぱいでした。子どもが遊ぶには危険が多く母親同士で見守っていこう、安全な場所で遊ばせよう、と保育園に発展していきました。中心になったのは、子育て中のお母さん。お母さん達が始めたことで、民生委員、駒沢グランドの場長さんと周囲の人達が動いてくれました。

 子どもは未来をつくります。私達の希望です。子どもはみんなで育てていくもの。育児現役のお母さん達は、最先端で未来に向かっていく存在なのです。

(文/平山ゆりの 撮影/鈴木愛子)