10%台だった有給休暇取得率が75.5%、男性の育児休暇取得率は33%へ


宮城県仙台市のホシザキ東北本社

―― 頂いた資料を拝見すると、取り組み以後、明らかに会社の業績が伸び、社員満足度も上がっていますね。これは本当にすごいです。改革に当たって特に気を付けたことはありますか?

高橋 まず、力を入れたのは、有給休暇取得の推進でした。年間の目標取得率を掲げたうえで、毎月個人・部署ごとに有休取得率を算出し、自分達の取得率を意識してもらっています。また、バースデー休暇やメモリアル休暇を推奨しており毎月推奨メッセージを配信しています。

 10年前は10%台だった有休取得率も徐々に増え、昨年は75.5%へ。3年連続で70%を超えています。

 また、育児休業推進では、女性だけでなく男性の取得者が多いのも弊社の特徴です。

 販売会社で男性の多い会社ではありますが、昨年は配偶者が出産した男性社員のうち33%の社員が2週間以上の育児休業を取っています。もちろん女性は100%取得しています。

男性の育休取得を「特別なこと」から「当たり前なこと」に変えた2つの工夫

高橋 くるみんマークを目標に取り組みを進める中、どうしても男性の育児休業取得率向上が課題となり、始めたのが「育児休業奨励金制度」と「育児休業リポートの配信」でした。育児休業を取得した社員は全員このリポートを作成しています。

 育休中に子育てに参加している姿を収めた「写真付きのリポート」に、上司がコメントを添えます。普段知り得ない社員のプライベートが垣間見え、社内では大変好評です。

 こうしたことを続けてきた結果、妻の妊娠が分かると自然と上司や同僚から「育休はいつ取得されるんですか?」といった声掛けが起こる雰囲気になりました。また総務課からも電話で声掛けをしています。

 職場で、総務課から、育児休業を勧める声掛けがある、また他部署の社員の育児休業レポートを見る、男性の育児休業取得が「特別なこと」から「当たり前なこと」に変わってきました。

 育休を取得した男性社員は、会社への感謝の気持ちやモチベーションが本当に上がります。「しっかり休んでしっかり働く」という生産性の高い働き方へ変わってきました。

―― こういった取り組みがあれば会社のことが好きになりますね。売り上げにも好影響でしょう。誰しも元気で自信のある人から商品を買いたいと思うでしょうから。

高橋 そう信じています。

 有休や育児休業を取る社員が増え、早帰りも促進していますので、10年前に比べ、一人ひとりの実稼働時間は確実に減っています。しかしそんな中でも、売り上げは景気の追い風にも乗り、この5年間で1.5倍に伸びています。ワークライフバランスが実現でき、仕事に積極的に取り組む人が増えたほか、退社が減り、同じ社員が営業を続けることで顧客の信頼を得るようになったと感じています。社員満足度も向上し、会社の業績も上がる。企業と社員がWIN×WINの関係になっていると言えます。