託児付なら子育て中のお母さんにもおいしい食事を楽しんでもらえる

 2013年、自己資金で「株式会社ここるく」を設立。今まで子連れでは行けなかった大人向けのレストランなどが託児付で利用できるサービスを提供しています。

 「子育て中のお母さんに来てもらいたいと思っていても、今まで子連れ客を受入れた経験がなかったり、周りのお客さんがどう思うかを心配していたりして、現状断らざるを得ないレストランは結構多いんです。でも、できればそういうお母さんにもおいしい食事を楽しんで欲しいと思っているオーナーやシェフがほとんど。託児付であれば実現できるね、と言ってくれますね。お客さんが少ない時間帯に集客したり、新規顧客の獲得やPRなど、お店側にもメリットを感じてもらえる仕組みになっています」

 託児スペースは、レストランの個室を利用する形と「ここるくサポーター」と呼ばれる企業から、昼間空いているスペースを貸してもらう形があるそう。

 「現在は、関東・関西を中心にレストランは30店舗以上を展開。エステサロン、習い事教室など幅も広がっています。企業からオファーを受け、社員の福利厚生や企業のイベントやタイアップとして行うこともありますね」

自分が最後まで責任を取らなければいけない、というストレス

 昨年は全国商工会議所主催の第14回『女性起業家大賞』にて最優秀賞を受賞。経営は今期で3期目を迎え、収益や計画も安定してきました。

 「仕事は18時までと決め、夜に会食や仕事の予定をなるべく入れないようにしています。会社員時代のほうが出張も多く、保育園の延長を利用することが多かったですね」

 起業をして仕事も育児も順調のようですが、今のほうがストレスの量が増えたといいます。

 「会社員の時は自分が必ずしもやりたいと思っていないことも、一定のパフォーマンスを保ってやり遂げないといけない、来る仕事は全部やらないといけないというストレスが大きかったです。起業してからは、全ての仕事は自分が選択したものという納得感が高い分、会社員時代のようなストレスは無くなりました」

 その分、違う種類のストレスが増えたそう。

 「会社員のときは自分がオーナーシップを持ってやっていると思っていましたが、今思うと最後の尻ぬぐいは経営者がやっていたんです。今は、確証を持って決められないことが山のように降ってくる中で、自分がジャッジをしないといけない。YESもNOもドキドキするのを押し込めて判断をする、自分が最後まで責任を取らなければいけないというストレスが半端無く大きいです」

娘を出産した直後の写真
娘を出産した直後の写真