世帯年収800万円以上なら、月額10万円を「貯める」に回せるはず
「住宅、教育、老後」は人生の3大資金と言われています。この3大資金を、忙しい共働き世帯が漠然とした不安に押しつぶされることなく計画的に準備していく方法はあるのでしょうか?
ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんは言います。「子育て世帯はライフステージに応じて様々な出費がありますが、それに備えることはもちろん可能です。特にDUAL読者のような共働き世帯であれば、もう少し積み立て貯蓄や投資に回す余地はあるはずです」。
一般的な家計についてよくご存じの竹川さんに、具体的な額についてアドバイスを聞きました。「収入の多いご家庭ほど支出も多い傾向があります。これは本当にもったいないことです。共働きの場合、夫婦の収入を合算できるのは大きなメリットです。世帯年収800万円の夫婦ならば、毎月合計10万円は積み立て可能でしょう」(以下、括弧内は竹川さん)。
2014年6~7月に日経DUALが行った調査によれば、DUAL読者の平均的な世帯年収は800万~1000万円であることが分かりました。これを参考に、世帯年収800万円とした場合、月収は約60万円。竹川さんの言う「月10万円」は月収の6分の1に当たります。これを30年間、シンプルに貯金に回すだけでも元本は3600万円になります。
「預金だけでもよいですが、そのうちの一部を投資に回すことで、長期的にお金を増やせる可能性も広がります。手間や時間をかけない仕組みとして積み立て投資という方法があります。夫婦で毎月合計10万円を30年間積み立て投資し、仮に3%で運用できた場合、約5800万円の資産を築く計算になります」(以下はこのイメージ図)
さらに竹川さんは「投資に対して誤ったイメージをお持ちの方が少なくありません」と言います。その「誤ったイメージ」とは、次の2つです。
「これはどちらとも間違いです。今は毎月1000円程度から投資を始められますし、ギャンブルのように短期で売り買いせず、長期でじっくり資産を育てていく方法もあります」