「本当のところ、うちは1カ月いくらあったら生きていけるの?」を把握

 『本当のところ、わが家は1カ月にいくらあったら暮らしていけるの?』という金額を把握することはとても大切です。被服費などは調整できても、住宅ローンや家賃、授業料など、固定費としてどうしても必要な支出はあります。この最低限の必要経費が分かれば、万一のときのために貯めておくべきお金が計算でき、家計の危機管理も可能に成ります」。

 特にダブルインカムでやりくりしている場合、外食や各種サービスの利用で「時間をお金で買っている」ご家庭もあるでしょう。「これがわが家の当たり前だと感じていた支出」そのものが、不必要に膨らんでいる可能性もあります。最低限必要な生活費を見える化してみることは、膨らんだ支出を抑える効果もあるでしょう。

 わが家の最低生活費が把握できたら、いざというときのために最低生活費の3カ月~半年分くらいの金額は預金に残すようにしましょう。

 こうして、色々な面から家計を見ると「1カ月にこのくらいなら貯められるような気がする」という、その世帯に合った“無理のない金額”が出てくるはずです。

 「以前であれば教育や住宅にかかる大きな出費が落ち着いた50代から退職するまでの10年間で、自分達の老後資金を一気に貯めることができました。企業年金も充実していた“いい時代だった”といえるでしょう。でも、現在は晩婚晩産が進み、特にDUAL読者のようなハイキャリアのカップルは子育てを終えた時点で60歳近くになっている場合もあるかもしれません。しかも、会社員の収入のピークは40代後半から50代前半です。これからは少額でも若い時期から長期でコツコツ資産形成を行う必要があります」

 次回からは、2つの共働き家庭が実践する毎月の積み立て術の実例をご紹介します!

(ライター/阿部祐子、図デザイン/Coccoto 前田千晶)