ママ達は絵を順番に鑑賞。数分経った後、それぞれ「この絵のここに行ってみたい」という感想を出し合いました。

菱田春草≪秋木立≫1909年(左)、菱田春草≪松に月≫1906年
菱田春草≪秋木立≫1909年(左)、菱田春草≪松に月≫1906年

 参加者A「『松に月』に描かれている場所に行ってみたいです。絵の雰囲気から、海に近い気がするのです。自分一人でゆっくりと過ごしたいな

 ガイド「この絵の時間はいつだと思いますか」

 参加者A「月が出ているので夜ですが、明るいから明け方か夕方でしょうか」

 参加者B「私は息子と一緒に行く、という視点から『秋木立』という絵に引かれました。最近、息子は立ったり歩いたりするようになってきました。この絵に描かれているような、落ち葉がいっぱいの自然のなかで、息子が遊びくるっているのを眺めていたいです

 参加者A「そっか、私は子どもと一緒という発想はなかったな(笑)」

 一人ひとり感想を出し合った後、川上さんから、それぞれの絵の解説や、作者である菱田春草についての説明がありました。参加者は、感想を出し合った後に説明を聞くことで、いっそう作品に対する理解が深まったようでした。

岡本太郎の1作品について、15分語り合う

 次に向かったのは、岡本太郎(1911~1996年)の作品が展示してあるフロア。 「岡本太郎の作品、これまでどこかで見たことはありますか?」川上さんが尋ねます。

 「銀座かな」「こどもの城!」「渋谷駅に大きな絵があるよね」「地元の県にもありました」

 ママ達が記憶を手繰り寄せ、ここでも対話による鑑賞が始まります。「あ~!う~!」。色彩が豊かな絵を見て、ママに抱っこされている赤ちゃんの声が、心なしか大きくなったようでした。