時間が経つのは早いもので、毎週更新してきたこの連載も16回目を迎える今回が最終回。そういえば、妊娠生活における16週っていったいどんな感じだったろう……って、まるで何も思いだせないことに気がついた。喉元過ぎれば熱さを忘れる、今日もフレシネを飲んで考えた。
「日々、気になっていること、思うこと、なんでも自由に書いてくださいね」というリクエストで始まったこの連載。伺えば、このサイトの読者の年齢層はわたしとばっちり重なっているらしく、それを聞いてとても頼もしい気持ちになった。毎週いろんなことを書いたような気がするけれど、自分の「今」をめぐるさまざまなことを思えば、やっぱり子育て、女性の生き方、「なんでやねん」という異議申し立てが中心の文章が多くなって、なんだか気心の知れた友だちとあれこれおしゃべりしているような気持ちでおりました。
みなさま、本当にどうもありがとうございました。
「できるだけ忘れないでいる」ということを大事にしたい
妊娠と出産、それから4年ほど子育てをしてみて、まだわからないことばかりでそれどころかこれから先もどんどん問題は増えていくんだろうけれど、それでも少しわかったかもしれないな、これが大事なんだよな……と思うことが、いくつかある。それは生活上の細々した、書きだすときりがないくらい具体的なことが圧倒的に多いのだけれど、もうちょっと観念的なこと、考えかたのひとつとして、「経験を活かす」ということがひとつ、あると思うのだ。もちろん、ひとくちに「経験を活かす」といってもいろんな意味と行為があるし、使い古されたどこにでもある言葉なんだけれど、わたしが思う「経験を活かす」というのは、ささやかだけれど、「できるだけ忘れないでいる」ということなのかもしれない。
以前ネットで、「こんなにも日々、たくさんの声があげられているのに、たとえば待機児童問題など、子育て環境はどうして改善されにくいのか」について、専門家が書いているのを読んだ。