衝撃の学校目標

 絵に描いたような南国生活の一方、キンダー学年からパソコンの授業や、パソコンを使う宿題もありビックリ。のんびりしたハワイ州といえども、IT化が日本より何段階も進んでいる米国らしい面もありました。さらに私達夫婦が衝撃を受けたのが、学校の5つの教育目標の1つの「Self-confident risk taker」。

 「自分が信じたことは、失敗を恐れず、やってみる」とでもいう意味でしょうか? 横並び社会の日本の学校では教えない発想。人と違う考え、個を大切にする環境が幼いころから自然とつくられていました。

校庭から雄大な大海原が見え、ダイヤモンドヘッドにも近かった小学校。毎夕のお迎えのたびに「世界一の環境!」と、ため息が出ました
校庭から雄大な大海原が見え、ダイヤモンドヘッドにも近かった小学校。毎夕のお迎えのたびに「世界一の環境!」と、ため息が出ました

緊張の三者面談

小1のころのサイエンスの教材。さなぎを意味する「chrysalis(クリスリス)」なんて単語は、受験英語ではなかなか出てきませんね。さなぎを実際飼って、家で羽化させたことも
小1のころのサイエンスの教材。さなぎを意味する「chrysalis(クリスリス)」なんて単語は、受験英語ではなかなか出てきませんね。さなぎを実際飼って、家で羽化させたことも

 また年に2回、子どもと親と先生で「ゴール・セッティング・カンファレンス(三者面談)」なる1回30分ほどの面談がありました。5歳だった娘の担任は「ミス・タカサキ」という、若い日系人のクール・ビューティー系の先生。三者面談では、先生から「セラはアルファベットの26文字中、大文字は全部分かるが、小文字はqなどあやふやな文字が4つある」「数字は13以上になると怪しい」など、かなり細かく娘の説明を受けました。

 そして後半15分は、娘が私に授業内容を説明してくれる時間。授業で使っているソーシャル・ワーク(社会)やサイエンス(理科)のファイルを得意げに見せてくれ、教室で読んでいる絵本をうれしそうに紹介してくれました。5歳児にも目標意識を植え付け、自主性を育てるいかにも米国式の面談でした。私からは娘をサポートする意味で「ハワイに来てまだ半年」であること、「親子で英語習得に向けて頑張っている」ことを話しました。

 娘は小学校の最初の一年間は週に3回、1回45分ずつ別の教室でESL(英語の補習)を受けていました。キンダー学年では約90人中4人が、学校全体では約300人中30人程度がESL組。さすが移民の国、米国。公立の小学校でもESL専門の先生が常駐しており、ワイキキ周辺の小学校ではほとんどESLの先生がいたと思います。皆が当たり前のように同じ言葉を話す環境で育ってきた日本人の私には、米国の懐の深さを見せられたようでした。