業績が傾いている会社ほど、悪循環に陥りやすい
日経DUAL羽生編集長 サイバーエージェントには実はママ社員が100人もいるとのこと。(前編を参照)。ママが増えるということは、イコール産休・育休に入る社員が増えるということ。それでも現場は回っているのでしょうか?
藤田 会社は人員に多少余裕がないと回りません。規模もそれなりに大きくなったので、人事が部署横断で育休に入ったりしたときの人員を補充しています。仕事よりも何よりも、子どもができたことが素晴らしい、お祝いしよう、という企業文化もありますね。
石田 女性は「え!(子どもできたの)」みたいな反応があると傷つくじゃないですか。そういうのは一切ないですね。
―― サイバーエージェントは独特の福利厚生を充実させていますね。(参考記事「女性社員支援に『マカロン』導入、妊活休暇も」)産休・育休はもちろん、女性特有の体調不良の際に取得できる休暇「エフ休」、不妊治療中の女性社員が取得できる「妊活休暇」、子どもの看護時に在宅勤務ができる「キッズ在宅」、子どもの学校行事などで取得できる「キッズデイ休暇」など、福利厚生のデパートのよう。
藤田 そうですね、標準的な制度は整っていると思いますね。思うのは、当然といえば当然ですが経営的に余裕のある会社は、様々な制度などを作ることがしやすく好循環にあること。みんなが安心して一生懸命働けるので、さらに好循環に入っていく。けれど、業績が傾いて悪循環に入っている会社は「この忙しいのに産休に入って」となってしまう。すると中にいる社員も会社に不満を持つようになり、全体に悪影響が大きくなっちゃうんですよね。
―― 今、経営的に余裕がない企業だってもちろんあります。そんなとき、悪循環から逆回転させるためにはトップはどうすればいいのでしょうか?
藤田 短期的ではなく、長い目で見ると、きちんと制度を整えたほうが僕はプラスになると思います。人員をギリギリで回していても、結局悪循環に陥ります。
―― 現在独身でいらっしゃる中出さんは、ママばっかり制度があってずるい、と感じたりすることはないんですか?
中出 今使えないからといって、不公平感は感じないです。逆に、今後自分にもそういうときが訪れたら使える、という安心感になりますね。