子どもができて、今は毎日「大変どころの騒ぎではない」

―― ところで皆さん夜遅くまでバリバリ働いているんでしょう? 結婚や出産することは現実的に可能なのですか。

藤田 仕事が忙しくて結婚も出産もできない、となると新しく入ってくる人が不安を抱えてしまいます。長期的に会社を見たうえで、ロールモデル作りには気を付けています。

―― 女性に限らず、男性社員もロールモデル作りをしていますか?

藤田 男性はあまり気にしていませんね。やはり女性のほうが働く際にロールモデルを気にするなと感じていて。でも、男性もなんだかんだしっかり家庭を持っている人のほうが腰を据えて働いている印象があります。結局そういう人が出世するので、結果的にロールモデルになっていますね。若者が多い会社だと思われがちなので、あえて「先輩で尊敬している人は家庭持ち。仕事もプライベートも充実している」という空気感は流そうとしています(笑)。

―― 藤田社長も小さなお子さんがいらっしゃいますよね。子育ては手伝っているんですか?

藤田 ええ、僕にしては頑張っていると思います(笑)。時間があれば、子どもをお風呂に入れています。

―― 「僕にしては」(笑)。

藤田 はい。時間があれば、子どもをお風呂に入れていますよ。

―― 子どもが生まれてから何か変わりましたか?

藤田 変わりましたよ! 子どもができてパパ・ママの気持ちがよく分かるようになりました。今、2歳半で、毎日大変どころの騒ぎじゃない(笑)。子育てって本当に大変ですね。妻は今は専業主婦ですが、世間の働いているママ社員たちは一体どのように両立しているのだろうなと思いますね。

いくら子どもが好きでも人間と話さないと頭がおかしくなる。保育園を増やして

藤田  一方で、四六時中子どもと向き合う大変さも理解しました。むしろそっちのほうがきついかもしれない。いくら子どもがかわいくても、母親だって社会との関わり合いを求める気持ちが生じるのは当然。だから、会社としても仕事復帰しやすい環境は用意したいと思っています。

―― 私も2人目の育休中に大人としゃべりたくて、宅配便のお兄さんを玄関先で長く引き止めたことがあります。

藤田 宅配便のお兄さんを・・・。それはかなり追い込まれた状態ですね。すぐに言わなくなりましたが、政府が以前「3年間抱っこし放題」と、育休を延ばす施策を提案した際に、そうではない、という議論が起きた。それはよく分かります。むしろ保育園を増やすべきだ、と。