NHK for Schoolを家庭学習に取り入れる意義とは

「これを見ておけば分かるでしょう、と見せるだけにするのではなく、親子で視聴をしてもらいたいですね」と語る松瀬尚さん(制作局 第1制作センター 青少年・教育番組部チーフ・プロデューサー)
「これを見ておけば分かるでしょう、と見せるだけにするのではなく、親子で視聴をしてもらいたいですね」と語る松瀬尚さん(制作局 第1制作センター 青少年・教育番組部チーフ・プロデューサー)

 この充実したサイトを家庭学習で取り入れることで、今後の学校での対応能力もグッとアップするでしょう。

 教育現場では今、2020年に向けて、学校でも一人一台、タブレットなどの情報端末をもって学びましょうという方針が打ち出されており、今後はアクティブ・ラーニング型の学習がますます取り入れられていくと考えられます。

 NHK for Schoolの制作統括を務める松瀬尚さんは「これからの子どもたちには、自分で課題を見つけ、その解決法も自分で考えられる力を身につけていってほしいのです。NHK for Schoolは、子ども達がある課題を解決するためのヒントになるような、あるいは課題そのものを見つけるための番組、クリップなどの情報を見つけやすくするサイト作りを目指しました」といいます。

 つまり、家庭で使いこなしておけば、情報を収集しコンパイルする能力が高められ、学校でも戸惑うことなく授業に参加していくことができるわけです。

これは知らなかった! と親子で共感

 ところで、子どもが使いやすいサイトではあるのですが、「これを見ておけば分かるでしょう、と見せるだけにするのではなく、親子で視聴をしてもらいたいですね」と松瀬さん。子どもが能動的に見るようになると、「見て勉強しておいて!」なんて言ってしまいたくなる時もありそうですが、でもやっぱり、DUAL読者なら親子で見て、学習意欲を一緒に高めていきたいところ。

 「親も、これは知らなかった、という感想を伝えていいと思うんです。一緒に“へえ、そうなんだ”と子どもと共感し合いながら見たり、親としていいところを見せたいということであれば、一人でまずスマホでクリップなどをチェックしておいて、それをもとになぞなぞを出してみたりしてもいいですよね。そのうえで、これを見たら、答えが分かるよ、と教えてあげたり。子どもとのコミュニケーションのきっかけにしてほしいと思っています」(松瀬さん)

 家庭学習に無料で使えるコンテンツがあるのはとても心強いですし、毎日1番組見てから宿題をしよう! などと決めておけば、学習そのものが習慣化しやすいでしょう。

 NHK for Schoolは、時間がない共働き家庭にとって、行楽地への移動も無駄にしない、そしてなにより家庭学習を楽しくしてくれる強い味方になりそうです。

(文/山田真弓 写真/花井智子)

NHK for School