真実かどうかより、一つの考え方

豪田 胎内記憶の話を初めて聞くとビックリする人も多いと思いますが、僕は、子ども達の胎内記憶の話から「子どもが親を選んで生まれてくる」とか、「何か目的を持って生まれてくる」という話は、それが真実かどうかということよりも、一つの考え方だと思っています。

 子どもが自分達を選んで生まれてきてくれたと考えると、とてもうれしいし、わが子への愛情もさらに深まります。

 逆に考えれば、流産など出産でつらい思いをしたり、なかなか子どもを授かれないと悩んでいたりする人達ご自身が、そういう人生を選んで生まれてきたのかもしれない。そう考えると、もしかしたら、「今回は子どものいない人生にしようかな、と自ら選んで生まれてきたのかもしれない」という考え方もあると思うんです。

鈴木おさむさん(以下、敬称略) ウチの奥さん(森三中・大島美幸さん)は、仕事を休養して妊活中だったとき、いろんな人間関係でちょっとストレスがあったようなので、そういうストレスから1回フリーになった。そうしたらすごく気持ちいい生活ができて、リラックスできたと言っていました。

 特に妊活中だと、あまりにもたくさん情報があふれているので、そういう情報や人間関係を整理するのがいいのではないかと思います。

池川 「赤ちゃんができない、できない」と思ってばかりだと、赤ちゃんは来づらいんですよ。妊活中で焦ってストレスを抱えてしまっている人によく話すのですが、例えば、そのお母さんを旅館の女将さんに例えてみるといいと思います。

 「お客さんが来ない、来ない」と言っている旅館を想像してみてください。お客さんは愛想のいい女将さんのいる旅館に泊まりたいと思いますよね。ところが「お客さんが今年初めてのお客さんです」なんて、暗い感じで言われると、あまり泊まりたいと思わないし、二度と泊まろうとは思わない。「どうぞ、ようこそいらっしゃいました!」と、明るく出迎えてくれる旅館にみんな泊まりたいじゃないですか。赤ちゃんもそれは同じことなのかもしれません。

豪田 妊娠や出産はもちろん、子育てにだっていろんなことがあるものですから、その中で、いかに自分の考え方を変えることができるのか、ということが大切だと思います。

 つらいことがあったとしても自分の中で幸せになれるように、前向きになれるようにする。ちょっとだけ捉え方を変えてみると、また違ったものが見えてくるのかもしれないなって思っています。