去る2月20日、本連載でもおなじみの中学受験専門のプロ家庭教師の西村則康先生と、中学受験専門個別指導教室SS-1代表の小川大介先生による中学受験対策セミナーが開催されました(日経DUAL・日本経済新聞社販売局共催)。本連載では3回にわたって、このセミナーの内容を紹介します。

1回目は、主に低学年の親御さん向けに「中学受験を始める前に、まず知ってほしいこと」をお伝えしました(前回記事『中学受験はすべきですか?』)。2回目の今回は、実際、中学受験を「する」と決めたら、どのような学習習慣を身に付けていけばよいのか、小川先生によるアドバイスを中心にお伝えします。

10分×6日の学習習慣を付け、子どもに「これならやれそう」と思わせてあげる

小川大介先生
小川大介先生

 中学受験と聞いて「遊びたい盛りの子どもに勉強ばかりさせてかわいそう」という見方をする方も多くいることでしょう。確かに、今の中学受験は小3の2月から3年かけて準備しなければならないため、ある程度は遊びを我慢して勉強しなければならないのは事実です。

 「しかし、受験勉強がスタートする段階で、毎日の学習習慣が定着していれば、無理なく勉強を続けることができます」と小川大介先生。

 「中学受験に限らず、勉強で苦労させない子育ての秘訣は、勉強を習慣に落とし込むことです。望ましい行動を『当たり前』に行えるようにしてしまえば、それほど大変なことではないのです」

 では、どのように習慣化させればよいのでしょうか?

 「習慣化の一番のポイントは、子どもに納得感を与えることです。小学生の子どもとはいえ、親が一方的にやらせているだけでは、長く続けることはできません。習慣化に不可欠なものに学習計画がありますが、この学習計画は親子一緒に考えるようにしましょう。その際、あまり詰め込み過ぎずに、お子さんが『これならやれそう』と思えるものにすることがポイントです」

 「私が代表を務める中学受験専門の個別指導教室SS-1では、実行可能な学習計画を作ったうえで習慣化に落とし込む指導も行っています。そのエッセンスを『10分×6日で習慣定着』というワークにまとめてみました。一緒に見ていきましょう」

 具体的な流れは次のようになります。

【『10分×6日で習慣定着』の流れ】

〈1日目〉 目標の話し合い
        ↓
〈2日目〉 習慣化メニューを書き出す
        ↓
〈3日目〉 1週間の生活時間を確認する
        ↓
〈4日目〉 習慣化メニューを1週間の予定表に書き込む
        ↓
〈5日目〉 チェックリストを作成する
        ↓
〈6日目〉 学習計画を基にシミュレーションをしてみる

 さらに詳しく見ていきましょう。

※ この連載が書籍になりました!

  2015年11月に発売した書籍『中学受験 基本のキ!』(日経BP社)は、おかげさまでAmazon「教育学・一般」で1位を獲得し、この1月には3刷りが決定しました。本書では「中学受験に興味はあるけれど、まだ何も分からない」という小学1年生から、受験直前の6年生までのお子さんと親御さん向けの情報が満載です。

「受験初心者から本番直前の6年生まで」 DUALの本
『中学受験 基本のキ!』 発売!
著者/西村則康・小川大介
価格/1620円(税込み)

【第1章】 わが子に中学受験をさせるか否か?
【第2章】 中学受験のパートナー 塾との付き合い方
【第3章】 受験生 普段の勉強と、長期休みの戦略的な活用方法
【第4章】 男女御三家と早慶付属校の最新問題傾向
【第5章】 2015年度 中学受験ニュース
【巻末付録】 必見!プロがすすめる併願パターン

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