まずは社会保険でカバーすることを考慮して

 また、会社員には傷病手当金制度もあります。

 傷病手当金は、会社を休んで十分な給料がもらえない場合に、連続3日休むと4日目から最長1年6カ月の間、給料日額分の3分の2を受け取ることができる制度です。(給料日額分とは、2016年4月1日からは傷病手当金支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で割った額に変わります)

 詳しくは、過去記事の「もし長期間働けなくなったら、収入はどうなる?」をご覧ください。

 このように、私達が加入している社会保険には、様々なものがあります。

 佳苗さんが加入している医療保険の入院日額は5000円なので、高額療養費や傷病手当金制度があることを考慮すると、適正金額といえそうです。入院日額1万円で加入している状況だったとすると保障が多過ぎるかもしれないので、その場合は要検討ですね。

③ お守り代わりなので、とにかく保険料を安く抑えたい

 保険に加入するということは、保険という商品を買うということ。分割で今支払う金額だけでなく、総支払額はいくらになるのかを必ず計算しておきましょう。

 私の相談現場でも、「月々これぐらいなら入っておこうかな」と言っていた人が、総支払保険料を計算した途端に「そんなに保険料を払うのはもったいない気がする」と、冷静に考え始めるのはよくあることです。

 佳苗さんが支払っている年間2万3405円の保険料は、60歳までの34年間支払うと、総額約80万円です。佳苗さんは少しでも安い保険を……ということで、保険料が割安になるインターネット経由で保険を契約していますから、これもよく調べて加入していらっしゃいますね。

■総支払保険料

2万3405円×34年間=79万5770円

 振り返ってみると、加入したときの気持ちと商品がちゃんとマッチしているのが佳苗さんの保険でした。ただ、今は保険に対する考え方が変わってきているようですから、今の保険と希望する保障内容とのズレを、次回は確認していきましょう。

 保険を見直す際には、「そもそも何が不安でこの保険を選んだのか」ということをもう一度思い出してみることがファーストステップ。そのときに不安だった気持ちに、今どう向き合うかということをまずは考えることが大切です。