長男が奔放に遊び、成長することのできる場を与えたい

 確かに、現在の都市部では、子どもが子どもらしく、伸び伸び遊べる自然環境はとても限られています。整備の行き届いた公園では本当の意味で自然に“触れる”ことはできないでしょう。

 自然への関心をみるみる深めながらも、様々な制約のなかで遊ばなければならないわが子の姿を見ているうちに、馬場さん自身も次第に窮屈さを感じるようになっていったそうです。

 「もちろん、子育てで忙しい時期にセカンドハウスを購入するという大胆な決断に至った理由は他にもありますが、何より長男が奔放に遊び、成長することのできる場を与えてあげたいというのは大きなきっかけですね。夫はもともと自然遊びが大好きな人間だったので、セカンドハウスの購入にはむしろ積極的でした」

南房総の家。築120年の古い農家。
南房総の家。築120年の古い農家。

 その後、2007年に千葉県の南房総に古民家付きの土地を購入。宅地部分は300坪程度、農地や山林部分も含めると8700坪という広大な土地です。

 「実はこの物件に出会うまで、房総半島自体あまり行ったことがなかったんです。で、いざ行ってみると昔ながらの田園風景がいまも残る素晴らしい場所で感動したんですね。当時はアクアラインの利用料金が高額だったこともあって房総半島の物件価格が安かったのも魅力でした。価格は郊外で50~40平米のワンルームマンションを購入するのと同じぐらい。それまで有力な候補だった神奈川方面と比べてもかなりの開きがあったので、こちらならアクアラインの利用料を考慮しても何とかペイできるんじゃないかと考えたんです。
 ただ、唯一ネックだったのは大部分の地目(不動産登記法上の土地の用途による分類)が『農地』だったことです。つまり、購入するには最低1年以上、実際に農地管理をして農家資格を取得しなければならない。それまで農作業はおろか、草刈りすらやったことがなかったので、かなり不安になりましたが、地元の農家さんなど、多くの方に協力してもらいながら何とか乗り越えることができました」

今やトラクターも乗りこなす馬場さん。お子さんも農作業に加わります
今やトラクターも乗りこなす馬場さん。お子さんも農作業に加わります