シンガポールから車で1時間 ジョホールバルの生活コストは?

―― 皆さん、シンガポールや中国といった他の中国語圏都市にあるインターナショナルスクールを経て、マルボロカレッジを選んでいますよね。もちろん学校の魅力があってこその選択ですが、日常生活にかかるコストはシンガポールや中国の大都市から大きく変わりましたか?

A ジョホールバルはまだまだ開発途中の田舎ですから、シンガポールの生活環境とは比べものになりません。車がないと不便ですし、日本料理屋さんも充実していないし。日本から直接ここに来ている方もいますが、海外に慣れているかタフでないと、最初はちょっと驚いてしまうかなと思います。

 シンガポールなら、ほとんど日本と変わらない生活環境なので、最初に住む場所として問題ないかもしれません。ただ、シンガポールはとにかく物価が高いので、母子留学となるとかなりの金額が必要になります。普通の家族用コンドミニアムを借りて暮らそうと思ったら、家賃は月50万円前後かかったります。シェアハウスや格安な公営住宅もありますが、それでも生活コストは高く、かなり大変だと思います。

B シンガポールは本当に物価が高いです。車を持つ権利だけでも年間1000万円、それに加えて、車の値段も日本の数倍です。ジョホールバルでは、家族用のコンドミニアムでも月10万円かからない。生活コストを考えた結果、ドライバーを雇って、ジョホールバルからシンガポールに毎朝通勤している人もいるくらいです。大型スーパーのイオンもありますし、車で1時間のシンガポールに行けば、伊勢丹や高島屋で買い物することだってできます。日本の食材は何でも手に入るので、その点は欧米などの都市よりも暮らしやすいかもしれませんね。

―― たまにシンガポールに出て買い物をすることができるという安心感はあるでしょうね。Cさんは、複数の中国語圏の国を検討した結果、ジョホールバルにしたんですよね。

C もちろん、最初はシンガポールも検討しましたが、やはり住宅費が高額で。うちは子どもが3人いますし、すぐに難しいと判断しました。中国も同じくらい高いですが、英語も中国語もできる中華圏の中ではマレーシアに来るとコストがぐっと下がりますね。ただ学費は高額ですし、物価の上昇に加えて学年が上がるにつれて学費も上がっていきますから、お金の面でもいつまでいられるかという不安もあります

大きなイオンモールがいくつかあって買い物には困らない
大きなイオンモールがいくつかあって買い物には困らない

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 生活コストは日本よりも安く抑えられるジョホールバルですが、マルボロカレッジは名門インターナショナルスクールとあって、学費は高額です。次回は学費や日本の年金・健康保険への対応などテクニカルなこと、高学年以降で来てうまく適応できるのはどんな子達なのか、といったことを聞いていきます。

(取材・文/藤村美里)