ミュージカルのレッスンを通じて、様々な表現の仕方を学ぶワークショップがあります。日経DUALでも以前、ミュージカル・ワークショップを取材しましたが、前回が歌が中心だったのに対して、今回はダンスが中心のワークショップになるとのこと。さっそく前回のワークショップを体験したシアタージャーナリストの松島まり乃さんの5歳になるお嬢さんが参加しました。

きれいに決まった!「森チーム」のラストシーン
きれいに決まった!「森チーム」のラストシーン

「まずは歩いてみますよ。では“やる気のない”感じで」

 歌とダンス、芝居が融合したミュージカルは、観てももちろん楽しいが、実は“やってみる”のもかなり楽しいし、様々な“学び”の場にもなる……ということが分かったのが、前回のミュージカル・ワークショップ親子体験取材(「ミュージカル・ワークショップに親子で参加してみた」)。今回は子ども(5歳・娘)のみに参加させ、様子を見守ってみた。

 ワークショップを行っているのは、作曲家・いずみたくが創設した劇団「イッツフォーリーズ」。ミュージカルをより身近に感じてもらう機会として、不定期でワークショップを行っている。今回は小学校低学年を中心に、幼稚園生から30代までの20名ほどが参加。前回は歌が中心だったが、今回はダンス中心の内容だ。

 まずは床に座って開脚し、柔軟体操。講師役の劇団員・藤森裕美さんの掛け声は「足を広げたまま、おひざと頭が仲良し〜」と優しく楽しげで、みんなしんどさを感じず、体を伸ばす。

はじめにみんなで柔軟体操。体の柔らかい子どもたちに大人たちはうらやましげ
はじめにみんなで柔軟体操。体の柔らかい子どもたちに大人たちはうらやましげ

 続いて「今日はみんなで遊びましょう」と藤森さん。「まずは歩いてみますよ、“やる気のない感じ”で」「次は“やる気満々”で!」。なんだなんだ?と思う間もなく、みんなでだらけた姿勢、しゃきっとした姿勢で交互に歩く。「やる気のない“猫”で」「やる気のある“納豆”で」とキャラクターが指定され、なおかつ目の合った人とハイタッチするという課題が加わる。どんどんハイレベルになってゆくも、集団の心強さからか、誰もが楽しげに変身してゆく。

「やる気のあるケンケン」をしながら「目の合った人とハイタッチ」。課題はどんどん複雑化するも、みな楽しそうにクリアしてゆく
「やる気のあるケンケン」をしながら「目の合った人とハイタッチ」。課題はどんどん複雑化するも、みな楽しそうにクリアしてゆく

 次に名を名乗り合い、「あなたには、負けませんよ〜」と言い合ってから行う「足じゃんけん」。初対面同士がお互い目を見合わせ、共同作業のムードがいつの間にかできていく。続く「ポーズ遊び」ではまず講師が赤ちゃん、おじいちゃんなどのポーズを見せて、それをみなが真似をし、次に焼きそば、洗濯機、電車などを自分たちでポーズ化してゆく。“ごっこ遊びはお手の物”とばかりに小さい子たちが我先に動き出すのを見て、「みんななんですぐできるの? もしかして天才?」と藤森さん。褒められていい気分になったところで休憩に入った。