協力企業のこだわりと企業戦略

 協力企業には、モノづくりの現場のノウハウを提供する、グッジョバ!!を通じた企業戦略があります。

 例えば日産自動車株式会社(CAR factory・パートナー企業)は、若者の車離れへの危機感から「親子一緒に車に触れ合い、車を好きになってほしい」という強い意向があり、全長約1,100mのコースを電気で走る次世代型ゴーカート「ev-グランプリ」が誕生しました。車体は軽自動車並みの大きさ、車の製造工程にあるテスト走行の要素を取り入れたコースは、大人も楽しめる本格派。通常ゴーカートは小さな子どもも運転できるように、ハンドルは左右90度程度しか回らないようにできているそうですが「『ev-グランプリ』は自動車と同様に、何周かハンドルを回さないと、カーブが曲がれない(曽原氏)」。ホンモノに近い仕様のハンドルを採用し、よりリアルに運転を再現しているといいます。

 「お子さんは最初うまく運転できないと思うのですが、そういうときこそ親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんの出番だと思います。教えてもらい新しいことができるようになれば子どもの自信になり、さらに親御さんへのリスペクトも生まれると思います(曽原氏)」

 私も実際に走行してみましたが、免許を持っていても普段乗っていないとドキドキするほど本物に近い体験。約1,100mのコースの中には起伏もあり乗り応えがありました。

 「工場の効率性」を学べるようにしたいという日産自動車株式会社の思いは、ワークショップ「ドライビングラボ」に反映。つくる楽しさだけではなく、ワークを通して「効率性」や「カイゼン」の意義を学べるように、あえてグループで協力してつくり上げるプログラムになっているそう。

 見学した日には、手回し発電機がついたモーターカーで、電気自動車の仕組みを体感できるワークショップが開催されていました。指導役のスタッフの方の話を聞きながら、発電の仕組みや、光源の種類(豆電球かLEDか)によって発電するのに必要なエネルギーが違うことなどを、分かりやすく学ぶことができました。ワークショップの最後には、組み立てた小さなモーターカーを順番に走らせてみる時間もあり、参加者からは「わ~、動いた! 速い!」など歓声が上がっていました。

CAR factoryのアトラクション「ev-グランプリ」は、アップダウンもある約1100メートルのコースを本格的な電気自動車で走行 ※2
CAR factoryのアトラクション「ev-グランプリ」は、アップダウンもある約1100メートルのコースを本格的な電気自動車で走行 ※2

「ドライビングラボ」では、複数のワークショップを開催。写真は「発電した電気で車を走らせよう!」※1
「ドライビングラボ」では、複数のワークショップを開催。写真は「発電した電気で車を走らせよう!」※1

 一方、日清食品株式会社(FOOD factory・パートナー企業)は「カップヌードルミュージアム」など企業ミュージアムを既に手掛けていますが、グッジョバ!!では日清焼そばU.F.O.がテーマに。

 「グッジョバ!!のコラボが決まった当初から、日清焼そばU.F.O.でいくというのは決定していました。認知度が高いものの、さらにブランドを強化したいという狙いがあったからです(曽原氏)」

 また「食べたくなるような美味しさの表現」を重視し、麺の色・照りなどの質感へのこだわりも並々ならぬものがあったといいます。アトラクションの制作過程では「香りが欲しい」というリクエストがあり、急遽仕様を変更、ソースの香りを追加したというエピソードも。妥協しないモノづくりの一面が垣間見られます。

左)FOOD factoryのスプラッシュU.F.O.は、日本初の映像ゲーム機能付きのボートライド ※2

右)マイU.F.O.ファクトリーでは、世界でひとつだけの「日清焼そばU.F.O.」を作ることができる
左)FOOD factoryのスプラッシュU.F.O.は、日本初の映像ゲーム機能付きのボートライド ※2 右)マイU.F.O.ファクトリーでは、世界でひとつだけの「日清焼そばU.F.O.」を作ることができる