新1年生のために親ができることを、公立小学校で23年間、教師を務めた経験からメルマガ「親力で決まる子供の将来」を発行する教育評論家・親野智可等さんにお話を伺い、「入学集中シリーズ」としてまとめた連載です。新1年生だけでなく、小学校低学年のお子さんにも役立つ根本的なお話しですので、小学校低学年のママ・パパさんは参考にしてみてください。

 8回目は、子どもが給食で好き嫌いをしないかという心配事について伺いました。昨今は食物アレルギーの問題もありますので、生理的に受け付けないものを、学校でも無理に食べさせたりはしないようです。

ひと口さえ、生理的に受け付けなくてダメということもある

日経DUAL編集部 前回は生活習慣についてアドバイスをいただきましたが、学校生活とといえば給食で好き嫌いをするのではないかと気になります。家庭でできることはありますか?

親野さん(以下敬称略) 親は給食のことが心配ですから、なるべく好き嫌いを無くそうと思うものです。もちろん、他の生活習慣に関することと同じく、好き嫌いに関しても親が工夫してあげたほうがいいのですが、好き嫌いに関しては、特に無理なことはしないように気を付けていただきたいのです。

 工夫できることといえば、例えば、嫌いな食材があれば、それをおいしく食べられるようにしてあげるとか、一緒に料理をするとか。あるいは、オクラが嫌いならオクラを一緒にベランダ菜園でもいいから栽培する。こういった工夫をすることで嫌いな食材が食べられるようになることもあります。

 また、啓発するということも一つの手です。オクラにはこういう栄養があるよとか、体にいいよとか。あのネバネバがいいんだよとか、絵本を使ってみたりしながら語ってあげる。そこで子どもが納得できれば、「じゃあ、食べてみようか」ということになる場合もあります

 しかし、親ができるのはここまでです。それ以上のこと、つまり、強制するとか、無理やり食べさせようとするのはやめたほうがいいでしょう。

 これは私の知り合いの話ですが、幼いころに嫌いなバナナを無理やり食べさせられて以来、大人になっても見るのも嫌。もう、匂いを嗅いだだけでもダメだという人がいます。同じように、グリーンピースを無理やり食べさせられたことがあって、それ以来、母親のことが大嫌いというより、怖いと感じるようになってしまった人もいます。大人になっても母親が怖くて、成人したと同時に家を出て、めったに実家に戻ることもないそうです。食べ物が原因で、親子関係が崩壊してしまうケースもあるということを、知っておいていただきたいですね。

 よく、「食べ物で好き嫌いをしていると、人間関係でも好き嫌いをするようになる」とか、「困難から逃れるような人間になる」から、好き嫌いを直そうという発想をする人がいますが、それは考え過ぎといいますか、妙な迷信です。野球のイチロー選手などは、かなり好き嫌いがあるということでも有名ですが、あれほどの選手です。決して困難から逃れるような人ではないですよね?

 ですから、できる範囲のことはしてあげてみて、無理なことはしない。よく、「ひと口だけ食べてごらん」と言う親も多いのですが、これも微妙です。それで背中を押されて食べられるようになることもあるかもしれませんが、そのひと口さえ、生理的に受け付けなくてダメということもあるわけですから。

画像はイメージです(撮影:鈴木愛子)
画像はイメージです(撮影:鈴木愛子)

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  • 叱らずに親が上手にやってあげることで自立が早まる
  • 叱ることの弊害、3つのポイント

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