「家事代行への不満」の背後にある、依頼者とスタッフ相互の作業への理解不足
シェヴのクライアントリレーションズマネージャー・波多野哲さん
個人契約で家政婦や外国人ハウスキーパーを雇用するお客様から寄せられるご相談は、大きく3つに分類できます。1つ目は「雇用した人に辞められてしまう」という雇用に関係する悩み、2つ目は「コミュニケーションがうまく取れない」という悩み、3つ目は「雇った人の家事スキルが低い」という悩みです。
家政婦やハウスキーパーとして働く方には高齢者も多く、加齢による体力低下や自分の両親の介護などを理由に仕事を辞めざるを得なくなることもあります。こういった退職リスクは最初の面接の段階で見極める必要がありますし、辞めたいと言っている方に雇用継続を強いると労務問題に発展する可能性がありますので、新しい人を探すしかないでしょう。
解決の可能性が一番大きい課題は、2つ目の「コミュニケーション」です。
「スタッフが依頼内容を十分にこなしてくれない」という不満の背景には、「スタッフが依頼内容を十分に理解できていない」という問題がある場合があります。
例えば、「コンロ・浴室・網戸の3カ所をざっとキレイにしてほしかったのに、一つずつ丁寧に作業をされたために、全部が終わらなかった」という不満はよくありますが、この場合、「ざっとキレイにしてほしかった」というイメージが初めの段階でちゃんと伝わっていないことがほとんどです。より詳しく言うと、「ざっとキレイにする」という表現は人によって定義が違います。どの程度キレイにすべきかを、できるだけ具体的に示す必要があり、お互いに前もって合意しておく必要があるのです。
また、依頼者側が、依頼している作業内容についてよく理解していないという問題もあります。掃除する場所も、依頼者にとっては住み慣れた家。掃除道具の置き場所も、掃除する場所の中の特に汚れがちな箇所も、よく理解できているでしょう。でも、家事代行スタッフにとっては初めての場所です。掃除道具を出すだけで一苦労だったり、使い慣れた洗剤もスポンジもない働きにくい環境だったりするかもしれません。依頼者が「この場所の掃除は10分程度で終わるだろう」と見込む作業も、スタッフにとっては1時間仕事である場合もあるのです。
例えば、先ほども例として挙げた網戸の掃除は、洗車用の大きめのブラシがあれば比較的短い時間でもできる作業です。でも、普通の住宅にそんな道具はなかなかありません。小さなタワシしかなければ、膨大な時間がかかってしまうのです。
次ページから読める内容
- 家事代行を依頼する頻度が適切ではない、というケースもある
- 最初の何回かは作業内容を軽めにし、慣れてきたら徐々に増やしていく
- 家事代行サービスの活用に欠かせないのは「信頼と思いやり」
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