「良かったこと」の見つけ方にはコツがある
それでは「サイコーの評価法」のやり方を説明しましょう。何か自信をなくしてしまうような出来事があったときに
「3」と「1」と「今後」の最初の音をとって、サイコーの評価法と覚えてください。
自信がないときにはどうしても「悪かったところ」にばかり目がいきます。でも、それでは「自分にはうまくできない。だからもう行動しない」という悪循環にはまってしまいます。そこで、「全体は悪かったかもしれないけれど、それでも良かったところ」を意識的に見つけるのが、このエクササイズです。
たとえば、プレゼンの結果が良くなかったというとき。上司が「結果がすべてだ」と失望していたとしても、あなたはそこで踏みとどまって、次の対策まで結びつけて考えてみましょう。「良かったところなんて見つけられない」と思うかもしれません。そこで、3つのコツをお教えしましょう。
1:部分的な成果に注目する
全体は良くなくても、部分に注目して良かったところを拾い上げます。
例)
・結果は良くなかったけれど、資料はわかりやすいと言われた
・他社に負けたのはおそらく価格面だけだ
・Aさんは不満そうだったが、Bさんは頷いてくれていた
2:プロセスそのものに注目する
手順や時間などプロセスで考えると、前進している部分が見つかります。
例)
・頑固だといわれているAさんの考え方が分かった
・今回の資料作りで集めた情報や、情報集めのスキルを他社のプレゼンにも応用できるかもしれない
3:やったことによって得られた副次的効果に注目する
集団生活をしてきた日本人は、仲間と仕事を進めることに自信を感じる部分があります。人間関係上で前進したことや、あらたな気づきについて考えてみましょう。
例)
・今回のプレゼンで、チームメンバーとの結束が強くなった
・部下のCさんを褒めたら、とても喜んでいた
・何度か通った上野駅近辺に詳しくなったから、週末子どもを連れて遊びに行ってみよう
こんなふうに、色々な視点から、今日起こったがっかりした出来事を眺めてみると、2の「悪かったところ」にも冷静に向き合えるようになります。さらに、3で今後の対処法を考えてみることも、あなた自身が成長し、自信を育てるためにとても大切です。難しいことでなくて大丈夫です。たとえばクライアントにお礼のメールを送るなど、ちょっとした行動でOK。次のために、1つだけ行動しよう、という前向きな方向性を見つけることが上手になると、自信はぐらぐらと揺れ動かなくなります。
いわゆる「仕事ができる」といわれる人で、実はとても「不安がり」な人はこういった、良かったところ探しや次の対処法探しを自然に行うことによって自信をキープしているのです。