レスラーの身体能力と鍛え方に圧倒される

ロープ2段目からのブレーンバスター。必殺技の一つです
ロープ2段目からのブレーンバスター。必殺技の一つです

 イタいの見るのは苦手という弟は、「なんであんなに殴られて蹴られてもけがしないの」と素朴な疑問をつぶやいている。「初めはぎこちなく見えていたのも、観客席が一体になってくると、徐々に盛り上がってくるね」と雰囲気を面白ろがろうとしている兄。

 体重100キロを超える男達がロープ最上段から相手に向かって体をぶつけてくる衝撃はどれだけあるのか、仕掛けるほうも受け止めるほうも体の鍛え方は半端ない。相手の攻撃をどこまでも受けて、相手の良さを引き出しつつ反撃を狙うというのがプロレスの一つの形でもあるわけだが、そこにはヤラセとは無縁の即興でつくり上げるパフォーマンスアートに近いものがあると、僕は久しぶりに生でプロレスを見て思った。

 「戦う前のスト—リーもだけど、戦いが生み出す緊張感や禍々しさをその場でつくり上げつつ表現するというのはかなり高度の技術だよね。それができてる試合は面白いけど、できないとつまらなく見えてしまう」と兄も僕と同じように感じている。

 レスラーの強さは、耐える強さだ。耐えられれば余裕も生まれるし、反撃もできる。そういう強さがレスラーには必須だから体を鍛え上げるが、僕らは普通の社会に生きている。体をぶつけて戦うわけじゃない。けれど、痛めつけられ、打ちのめされることはままある。そんなときは心が折れそうになる。男も女もそれは同じだ。でも、心を鍛えるって難しいことなの?

典型的なヒールとベビーフェースの戦い。負けたKAI選手(左)のほうに3人ともほれました
典型的なヒールとベビーフェースの戦い。負けたKAI選手(左)のほうに3人ともほれました

場外乱闘でブレーンバスターをくらうKAI選手。目の前でした!
場外乱闘でブレーンバスターをくらうKAI選手。目の前でした!

ロープ最上段からドロップキック! 田中稔選手。女性のミノルコールがすごかった
ロープ最上段からドロップキック! 田中稔選手。女性のミノルコールがすごかった

心を強くしたいなら楽しいことをいっぱい経験しよう

 「プロレスはもっとマニアックなモノだと思っていたけど、武藤さんのレッスル-ワンはエンターテインメントとして誰でも楽しめるようになっているね」と弟。休憩中や試合後にはロビーでファンサービスもありだ。「でも、武藤さんが出てきたときは何だかオーラが出てたよね」「別格のな」。二人とも初めてのプロレス観戦を存分に楽しめたみたいだ。

 そうなんだよ、楽しみをたくさん知っていればいるほど心が強くなると僕は思っている。心を鍛えるのは逆境じゃない、楽しさという心の栄養をいかにたくさん取るかだと父さんは思う

 ところで、この日参戦したザ・グレート・カブキと文字通り血みどろの凄惨な戦いを何度も演じてきた武藤(別リング名義グレート・ムタとして)を君達は知らない。それがためのオーラだ。父さんはプロレス界のレジェンド二人が組み合っただけで、その瞬間、身震いが起きるほど感激してしまったのだよ。実はこの夜一番楽しんだは父さんでした。

後楽園ホールはビルの5F。帰りは階段のほうが早いし、階段の壁に描かれた格闘技やアイドルのファンの落書きも必見。これも男の子の一面だね
後楽園ホールはビルの5F。帰りは階段のほうが早いし、階段の壁に描かれた格闘技やアイドルのファンの落書きも必見。これも男の子の一面だね

■WRESTLE-1(レッスル-ワン)
開催予定試合の情報などはホームページを確認
http://www.w-1.co.jp

■後楽園ホール
プロレス以外の格闘技も随時開催
https://www.tokyo-dome.co.jp/hall/