「男のくせに」「男の子でしょう?」と言わないで育てようと決めた
男の子が生まれるって分かったとき、決めたことが一つある。「男のくせに」とか「男の子でしょう?」とか言わないで育てようと。ことさら男の子には強さを求めるこの種の言葉のプレッシャーがキツイ。世間の決めた「らしさ」なんてどうでもいいから好きなようにありのままに生きてほしいと思ったからだ。
それでも、ありのままに育っていると、男の子は突然、体を鍛えだしたりする。長男はトレーニングチューブを買ってきて、格闘家や古武術の本を読み出した。僕が高校時代の下宿でも、運動器具のエキスパンダーやブルワーカー(今も昔も雑誌広告で有名な)のない部屋はなかった。先輩達は、彼女を守るために強くなるんだと、言っていたが、一体彼女を何から守ろうとしていたのか。そもそも鍛えていた先輩達にも彼女なんていなかったのに。
年ごろの男の子にとって、強さに憧れるのは自然なことなのかもしれないが、押し付けたくはなかった。長男のやることを眺めながら、体を鍛える暇があれば音楽聞いてドラムを叩いていたほうがいいよって冷めた見方をする次男のような男の子もいる。今回は、そんな対照的な二人と一緒に格闘技を見て「男の子の強さ」について語ろうじゃないかと思った。