波長が合うんですよね、子どもと(笑)

仕事場でも子どもがいるとつい、こんな変顔をしちゃうとか
仕事場でも子どもがいるとつい、こんな変顔をしちゃうとか

 5年前までは、自分が子ども向けにライブをやるなんて考えもしませんでした。「そんなの関係ねえ!」も子ども向けに作ったわけでもありませんでしたし。でも、お子さんにライブで泣かれたときに、思ったんです。いっぱい芸人さんがいる中で生き残っていくためには差別化しなくちゃいけないな、と。僕自身、子どもが好きだったということもあります。

 なんか、波長が合うんですよね、子どもと(笑)。

 今回のドラえもんのお仕事でも、現場でタレントのエヴァちゃんと一緒に遊んでいましたし、視界に子どもが入ってくるだけでつい変顔をしてみせたりしちゃいます。ほかに子ども向けのライブをやっている芸人さんはいなかったので、僕がやれば面白いかな、と思ったわけです。

 でも、最初からすべてうまくいったわけではありませんでした。子ども向けライブを始めて1年目は、夏休み終了後に開催してしまったこともあって、思ったより子どもが集まらず。ライブ中もよかれと思って暗転させたところ、子どもが怖がって泣き出してしまったり。二部制にして夜の回を19時スタートにしたら来てもらえなかったり……。ようやく形になってきたのは最近です(笑)。

子どもの笑いの基本はツッコミだと思う

 「子どもを笑わせるコツってあるんですか?」ってよく聞かれます。

 子どもの笑いって基本はツッコミだと思うんです。

 例えば、僕が持ちネタの「あー、下手こいたー!」「そんなの関係ねえ!」に入る前に、地名を間違えてみる。この間は福岡県の飯塚市のイベントに出演したのですが、ステージ上で地名を「いいづこ市」って言い間違うんです。すると、子どもはすかさず「いいづか、だよ。いいづか!」って笑って突っ込んでくれるんですよね。

 あと、「まあ、みんなにはできないと思うけど……」というフレーズに弱い(笑)

 負けん気が強いので、そこをくすぐってあげるといいみたいです。例えば「『そんなの関係ねえ!』を4倍速でやりま~す」と言ってまずやってみる。そして「じゃあ、次はもう少し速くしてみるよ。さっきが4倍速だったから、次は……、えっと、4より大きな数字は何だか分かる? あ~、みんなはまだ分からないか」って言うと「100!」とか「1000!」とか、ノリノリで言ってくれる。だから、お父さん、お母さんも「あなたは片づけなんてしないと思うけど……」なんて言ってみると、意外と頑張って片づけをしてもらえるのではないでしょうか。

 子どもって、一生懸命、大人になろうとしてるんだと思うんです。

 だから、こちらが子ども扱いすると反発するのかもしれません。ライブでも、「じゃあ『そんなの関係ねえ!』を一緒にやってみようか。でもみんなは1回じゃ覚えられないと思うけど……」と振るともうムキになって覚えてくれますし。大人から認めてもらいたいという願望が強いんだと思うんです。「まだ無理だと思うけど」って言いながら、できそうなことを言ってあげると楽しそうにノッてきてくれますよ。

可愛い“ペット”達との触れ合いも映画の見せ場の一つ。動物好きの子ども達はきっと夢中になるはず
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