「全般的に掃除してほしかったのに、重点的にやりすぎて時間が足りなくなった」

 「サービスを利用した際、嫌だったこと、不満だったこと」の自由記述欄には、かなりの文字数で書き込む方が多数いた。代表的なものを抜粋したい。

<家事代行>
・振り替えの連絡など、事務所のリプライが遅い。催促しないと返事が来ない。家事レベルは満足だが、オフィスの対応者の応対力が低い。(財務経理・39歳)
・一度だけスポットで掃除を依頼。3カ所(コンロ・風呂・網戸)を依頼し、そこそこきれいに、全般的に掃除をしてほしいと思っていたところ、1カ所ずつ重点的にきれいにしていったため時間が足りず、網戸まで到達しなかった。手を掛けるところと掛けないところの意識の擦り合わせが事前に必要と分かった。予約をするのも自宅にいなければいけないのも面倒なので、それ以来頼んでいない。(財務経理・31歳)

<ベビーシッター>
・支払い方法、領収書送付など、何度も同じことを電話で言わなければならず、面倒。日本は人件費が高くて、普通の社員が払える料金ではない。シッター代を控除できるようにしてほしい。(編集・編成・制作・35歳)
・いつもお願いしている方が都合が悪くなったため、会社の判断で別の方が担当になった日があった。そのとき、保育園からの帰り道で道に迷われて帰宅が遅くなった。当日の変更だったため、自宅から遠い方に割り振られ、交通費を普段より多く請求されて腑に落ちなかった。(専門職・33歳)

「いい笑顔のお子さん。お父さん、お母さんが笑顔だからですよ」

 その一方で、「サービス利用時にうれしかったこと、感動したこと」の記述も多かった。

<家事代行>
・本当に細かいところに気が付いてくれて、帰宅すると見違えるほど家がきれいになっている。鍵を預けて自宅に入ってもらっているので連絡ノート頼りではあるが、その内容もキッチリしていて助かっている。(財務経理・36歳)
・細かい指示をしなくても、時間内できれいにしてくれる。例えば、通販の段ボールが積みあがっていたところ、何も言わなくても潰してゴミとして出せるように紐で縛ってくれていた。(情報処理・38歳)

<ベビーシッター>
・「本当によく笑っていて、いい笑顔のお子さんですね。お父さん、お母さんが笑顔で育てていらっしゃるからですよ」と言われた。毎日忙しく、自分の育児にも自信を持てなかったが、少し気持ちが楽になった。(研究開発・33歳)
・宅配便の受け取り、皿洗いなど、本来の仕事でないことをさらっとやっておいてくれた。お気に入りのシッターさんが来ると分かって子ども達が喜ぶのも「シッターさんを頼んでよかった」と思う瞬間。(総務人事・48歳)

 次回は、家事代行とベビーシッターサービス業界の知られざる実態について、専門家から話を聞いていく。

【調査について】
・調査名:「日経DUAL 家事代行・ベビーシッター利用調査」
・実施期間:2016年2月8~15日
・回答数:169人 (女性 157人、男性 12人)

(取材・文/日経DUAL編集部 小田舞子、図デザイン/Coccoto 前田千晶)

※一部追記しました。(2020年6月15日)