統計データを使って、子育てや教育にまつわる「DUALな疑問」に答える本連載。第9回では学力と体力の2つの観点から、都内49市区の子どもの能力診断を行いましたが、今回は子どもの姿をトータルで捉えるために「健康」や「問題行動」の視点も加えて、「子ども診断」を行います。自分達が暮らすエリアで育つ子ども達は、どんな傾向があるのでしょうか?

 こんにちは。武蔵野大学講師の舞田敏彦です。文部科学省は毎年、全国学力テストと全国体力テストを実施していますが、東京都も類似の調査を独自に行っています。第9回の記事では、このデータを使って、都内49市区の小学生の学力と体力を比較しました。

 学力や体力は能力の指標ですが、子どもの姿をトータルに把握するには、これだけでは不十分です。「健康第一」「生きるための資本はカラダ」と言いますが、健康状態はどうでしょう。また、いつの時代でも子どもは悪さをするものですが、問題行動の多寡も気になります。

 今回は、[A]健康、[B]能力、[C]問題行動、という3つの視点を据えて、東京都内49市区の子どもの姿をトータルに「診」てみようと思います。「ウチの地域は他と比べてどうなのだろう?」。こういう関心をお持ちの保護者や教育関係者の参考になれば幸いです。

健康、能力、問題行動を測る6つの指標

 上記の3つの観点に関わる指標を、2つずつ考えてみました。
 [A]健康状態の指標は肥満率と虫歯率
 [B]能力の指標は学力と体力
 [C]問題行動の量は、いじめと不登校の発生率
 で測ってみます。他にもよい指標はあるでしょうが、資料上の制約も考慮し、これら6つに限定した次第です。表1は、各指標の定義とソースの一覧です。A1~B2を5年生にしているのは、学力調査の対象がこの学年のため、それに合わせています。

 学力は、地域差が大きい算数の平均正答率で測ることにしました。体力は、5段階の総合評価(A~E)で、良好な評価(AもしくはB)を得た児童の割合を拾っています。C2の不登校児童とは、学校嫌いという理由で年間30日以上欠席した者をいいます。

いじめ認知率のトップは足立区!?

 東京都内49市区について、これら6つの指標を計算してみました。その一覧表を見ると、同じ東京都内にもかかわらず、大きな地域差があることに驚かされます。

 表2は、49市区中の最高値と最低値です(49市区の一覧表は、最終ページに掲載しています)。

 49市区の両端の値ですが、どの指標も差が大きいですね。いじめ率と不登校率は、小学生千人当たりの件数(人数)ですので、‰(パーミル)という単位を使っています。いじめ認知率のトップは足立区ですが、この区は、いじめの摘発に本腰を入れたためかもしれません。C1のいじめ率は、読み方に注意が要ることを申し添えます。

次ページから読める内容

  • 総合診断スコアが高いのは千代田区、中央区、世田谷区
  • 平均世帯年収が高い地域ほど、子どもの総合診断スコアが高い

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