かくして、アンチ・ウルトラマン派、カネコ家から消滅
この原稿を書いている2日前、つまりは金曜日の夜、我が家ははるばる神奈川県川崎市にまで出かけていった。なんのためかといえば、川崎駅近くにある居酒屋へ行くためである。どんな居酒屋か、お店のキャッチコピーを紹介しよう。
『ウルトラ怪獣たちが世を忍んで営業する居酒屋、それが“帰ってきた怪獣酒場”です』
人気爆発。予約なしだと入店するまでにヘタをすると2時間以上待ち。店内はウルトラグッズはもちろん、ありとあらゆる怪獣たちがそこかしこに展示されており、お好きなヒトにはたまらん作りになっている。ちなみに店員さんの制服は三面怪人ダダがモチーフに。
当然のことながら、虎はもちろん、わたしも大いに楽しんだ。だが、我々に負けないぐらい興奮し、はしゃいで写真を撮りまくっていたのは、ほかならぬヨメだった。「これだけは頼まなきゃね」と名物だという「グドンのおすすめ! ツインテールフライ」を真っ先に注文したかと思えば、ピグモンのライチ・カクテルだのダダの梅酒、キングジョーの柚子酒だのをグビグビと空にした。
アンチ・ウルトラマン派、カネコ家から消滅。
この間までウルトラマンの動画をみるときはヨメの顔色をうかがっていた虎は、最近では堂々と「ママ、見せて!」と要求するようになった。さすが機を見るに敏なだけはある。かくして、我が家における“3歳児がケータイの動画を見たがる問題”は、合法的に悪化した。
それにしても、「今スタンプラリーをやってるんだ」と告げた時のわたしの友人たちの驚きと爆笑ぶりといったらなかったが、推察するに「そんなもん絶対にやりそうもないキャラ」としての受け止められ方は、ヨメの方がかなりのものなのでは、と思う。
「好きな怪獣? ゴモラは普通だしピグモンやレッドキングもありきたりだし……。通な怪獣ってなんだろ。ザラブ星人は割と好き。あ、ウルトラ兄弟の中ではわたしゾフィー派ね」
脚色は一切ございません。先程我が家の奥様がおっしゃったお言葉でございます。