主婦・ママのITスキルを教育する「ITマミー部」を立ち上げ

 人材派遣会社が分かってくれないのであれば、自分が直接企業に営業をして主婦・ママの仕事を獲得しようと思い立ちました。

 「9割の企業に断られた時間はものすごく意味があったんです。主婦・ママが断られた理由は、責任感がないとみなされるだけでなく、ITのスキルがないから。それなら、ITの教育をママにしようと思いました」

 そこで、今度はオンラインではなくリアルでママを教育するために「ITマミー部」を立ち上げ。マイクロソフトなど、IT関連企業に協賛してもらい、無料で受講できる仕組みを作りました。

 さらに当時、ママなどが自宅でも作業できる、と普及し始めていたクラウドソーシングに注目。「クラウドソーシングに穴はないかと探しました。すると、プログラミングの発注の流れを見ると、受注し最終納品まで至る案件は半分位しかないことに気付いたんです。なぜなら、プログラミングは知識がないと発注自体も難しく、日本人が得意とする阿吽(あうん)の呼吸ではできないから。オンラインではなく、顔が見えるリアルの方がやりやすい場合もあると考えました」

 そこから、“IT×ママ×リアル”にこだわり、2014年に株式会社マミーゴーを設立しました。

展示会で
展示会で

仕事と教育の提供、オフ会の開催が全て無料

 無料で教育が受けられ、仕事ももらえるということがクチコミで広がり、現在、ITマミー部には約280名が在籍。企業への営業は3人で行っています。

 「業務内容は、ライティングやデータ入力といったオフィルスキルでできるビジネスサポート、ホームページやバナーなどのWEB制作、スマートフォン用のアプリ開発の3領域。ママ視点で作るというのがウリで、女性向けのサービスを受注することが多いです」

 仕事を受注したら、ITマミー部のママに声をかけ、やりたいと手を挙げた人に会社へ来てもらいます。実際に案件を試しに制作してもらい、OKであれば仕事をお願いする、という流れです。

 「現在、稼働している主婦・ママは30〜40名ほど。今まで100名ほどに実際に仕事をお願いしました。もっと多くの人に仕事をしてもらいたい。ITマミー部の温度感を高めるために、仕事と教育の提供、そしてオフ会の開催を全部無料で行っています。2017年までには、400名在籍し、100名のママに月々支払いを行う、2020年までには、1000名在籍し、そのうちの半分をアクティブ化するというのが目標です」

ITマミー部交流会の様子
ITマミー部交流会の様子