少し前までそんな状態だった私が、きちんとメイクをしてもらって、綺麗な衣装を身につけて人前に出ていくわけだから一大事。シンデレラも真っ青の大変身っぷりです。

 ましてテレビカメラの前でお話しをするなんて、とんでもなく高いハードルで…。復帰が決定してからは、収録当日まで「アァァァァァ仕事受けちゃったァァァァァ。無理無理無理無理! 逃げたいマジで無理…ウホウホ…!(まだゴリラ)」と転げ回っていました。スタジオに入ってからも、「コレひょっとして、何かの夢かな?」と半信半疑でした。

 そんな不安で現実味のない気持ちでのぞんだ収録でしたが、共演者のみなさんやスタッフさんたちに支えられ、なんとか産後初のお仕事は終了しました。いやぁ、とにかく必死でした。必死すぎて記憶なし。収録後にはマネジャーさんに「私、ちゃんと日本語しゃべれてました?」と確認したくらいです。自分が及第点だったのかはわかりませんが、番組の内容はとても面白く、お正月には無事オンエアされました。

周囲のサポートなしには実現できなかった

 こうして、産後2カ月半という早めのタイミングでドタバタと復帰してみたわけですが、改めて実感するのは「私の場合、周囲の手厚いサポートがあって、かなり恵まれた環境にあったからできたんだよなあ…」ということ。産後に仕事をするための幸運な条件が、いくつもそろっていたのです。

 まず、何よりラッキーだったのは、親が近くに住んでいること。これは本当にありがたいです。5年前、四国の実家から両親が東京に移り住んでくれたおかげで、復帰に向けての最大の難関ともいえる保育所問題にぶつかることなく、実母に子どもを預け、安心して仕事をすることができました。

 そして、復帰後も仕事のペースを自由に調整できるのは、勤め人ではない、個人事業主である者の最大の強み(そのぶん保証はないですが…)。今は子育てを中心にできるよう、スケジュールを組んでもらっています。

 社会の雰囲気も今までよりは良いのかな。産後すぐに働き始めると「仕事なんかせずにもっと子どものそばにいるべきだ!」なんて言われるのを覚悟していたのですが、そういった声が届かなかったのも、時代なのかもしれません。

 これだけ好条件がそろえば、復帰なんて楽勝! に思えてきますね。だけど…。贅沢なのは承知で、言わせてもらいます。

 それでもやっぱり、復帰はたいへんだったよ!