求める英語力は「ビジネス」「外資系就職」レベル!

 ところで今、DUAL読者が求める英語力はどんなレベルなのか。

 2015年12月の特集習い事どうしてる? 読者431人の声、大公開で行った読者アンケートの中から、英語に関する親の意識を見てみた。まず英語を習う際の「興味のあるレッスン内容」(3つまで選択可能)として、

(1)「英語体験やアクティビティ」57.0%
(2)「ネーティブ講師による指導」54.7%
(3)「英会話力のアップ」54.2%

(4)「保育園や学童のプログラムに入っている英語レッスン」20.7%
(5)「学校の授業の先取り」9.2%
(6)「英検、受験英語の指導」8.9%
(7)「ネーティブシッター」7.8%
(8)「マンツーマン指導」6.7%

と、会話力のアップとネーティブ講師による授業が重要と考える人が多いことが分かった。

 さらに「将来、子どもに期待する英語習得レベル」については、

(1)「ビジネスで必要な時に英語で対応できる程度」37.1%
(2)「外資系企業で働ける程度」21.6%

と、仕事で武器になる高いレベルの英語力を身に付けてもらいたいと考える親が多いことが分かった。

 一方で「レッスン料が高い」(42.4%)、「スケジュールが合わない」(24.2%)、「レッスン内容がよくない」(18.2%)という不満もあり、望み通りのレッスンが選べていない状況も見られた。

英語教室の選び方、大事なのは目標設定

「小学館の英語教室 イーコラボ」の授業風景
「小学館の英語教室 イーコラボ」の授業風景

 こうした不満が出てくるのはなぜか。どうやら英語教室の選び方にも課題があるようだ。

 イーオンの広報課 森田繁雄氏は「親御さんの中にはネーティブの講師を希望する方が大変多くいらっしゃいますが、親にとっていいことと、子どもにとっていいことは必ずしも同じではありません。それまで英語ネーティブの方と接したことがなかったお子さんが突然、ネーティブの方を目の前にした場合、戸惑うこともあります」と話す。「講師はネーティブがいい」と考えるのは、親が自分の英語力をコンプレックスに感じている裏返しかもしれないが、重要なのは「目標設定」だ。

 例えば外資系企業への就職レベルを子どもに目指させるのであれば、ネーティブであるかどうかだけでなく、「教師の質、教材の質、カリキュラムの質で判断する必要がある」(森田氏)。

プリスクールは「共働きお断り」も

 ネーティブレベルを目指したいという場合、さらに厳しい覚悟が必要になる。都内のプリスクール系英語教室の運営に約10年携わってきたある女性コンサルタントは、「英語が話せるようになるかどうか、身に付くかどうかはインプット量」だといい、「週に1回40分、英語を話す環境に身を置いたところで、ネーティブレベルでの英語力は到底身に付かない」ため、「いかに自宅学習をしっかりするか」が大事だと話す。「もし本当に子どものうちからネーティブレベルを目指すのであれば、“英語を母国語に=日本語で多少苦労してもいい”と決断して、インターナショナルプリスクールに通わせるしかない。ただし、“共働き家庭はお断り”“通っている家庭に共働き家庭はない”というインターナショナルプリスクールも少なくない」(同コンサルタント)という。

 もちろん、現段階では目標設定やゴールはあくまでも「親のイメージ」で、子どもがそれを望むかどうかは成長してみないと分からないし、親が思い描いた通りの結果が得られるわけではない。とはいえ目標設定は、早期教育が重要と言われる語学において、学習方法を取捨選択するために必要だ。

 しかも2018年には小学校で英語教科が導入され、2020年の完全実施をめどに英語教科の義務化が進むことになる。