年長さんのときにしっかりしていたわが子が幼児返り!?
日経DUAL編集部 小学校に入ると、環境が保育園や幼稚園から一変するわけですが、どういったところが変わり、親は子ども達のどういったところに気を付けておくのがいいのでしょうか?
親野さん(以下敬称略) 小学校に入学したばかりの子どもは、すごく緊張しているものです。新しい学校に新しい先生、新しい友達。しかも、共働き家庭であれば、学童もある。何もかもが新しいから、緊張しています。
だから、おうちに帰ってきたら、ダラダラしたくなります。あるいは、すごく不機嫌になっているとか、疲れ果ててすぐに寝てしまうとか……。私が教えていた子どもで、おうちの玄関にたどり着いたところでドアを開ける前に寝ちゃった、なんていう話もありました(笑)。
──疲れ果てて晩ごはん中に寝てしまうといった話も、小1の壁を経験した親からはよく聞きます。
親野 そういうのも多いですね。下校中に歩きながら寝ちゃうといったこともあります。小学校に入りたての子どもというのは、とにかく疲れているので、ダラダラ、グズグズするものだということを、まずは頭に入れておいてほしいですね。
そのことを分かっていないと、親はとにかく心配だから、あれこれ聞こうとしてしまいがちです。「今日はどうだったの?」とか、「ちゃんとお話聞けた?」とか。しかも、矢継ぎ早に聞いてしまうのです。子どもの反応がなかったらますます焦って、「しっかりしなきゃダメでしょ!」となってしまうんですよね。
そうならないよう、基本的に、小学校に入学したばかりの子どもというのは、疲れているんだということを親がシッカリと意識してあげましょう。疲れているのだから、家に帰ったら、まずは子どもを休ませてあげるようにするのが最優先です。リラックスできるようにしてあげてほしいですね。
それと、もう一つ。年長のときにはできていたことが、できなくなるといったことが時々ある、ということも覚えておきましょう。保育園では年長さんが一番年上です。年中さん、年少さんのお手本になろうということで発破(はっぱ)を掛けられて過ごし、家でも「もうすぐ小学1年生でしょ!」と発破を掛けられる。割と生活態度面でも気持ち的にもシッカリしてくるものです。
ところが小学校に入ると、いきなり最年少になるわけです。6年生をはじめ、上級生が何かとチヤホヤしてくれて、色々と面倒を見てくれるようになるんですね。そこでちょっとした幼児返りのような面が出てくるといったケースがよくあります。