引っ越しと入園申し込みで注意すべきこと

―― いざ、保育園に入りやすい地域へ引っ越すとなった場合、引っ越し先の保育園申し込みはいつのタイミングがベストでしょうか。

普光院 引っ越しを完了してから、引っ越し先で認可保育園の入園申し込みをすれば、住民票がある状態なので通常の条件で申し込みができます。ただし、入園選考で複数の申込者の利用調整指数が同点になった場合、在住年数の長い家庭が優先される市区町村もあります。

 一方で、入園申し込みをする時点で引っ越しが完了していない場合、つまり住民票を移す前では、市区町村によって対応が変わります。転入予定者への配慮は自治体によってまちまちなので、以下の点を確認しましょう。

 [1] 転入予定だが入園申込時に住民票を移せていない場合、入園申し込みを受け付けてもらえるか。現住所の自治体に管外協議(※)の申し込みをするのか、転居先自治体が直接入園申し込みを受理してくれるのか。

 [2] 住民票がまだないことで、入園申し込み後の入園選考が不利になることはないか。

 [3] 転居先住所を証明する書類(マンションの賃貸契約書など)を提出する場合、どのような書類が有効か。それで入園選考での扱いは変わるのか。

 ※管外協議:住民票がある市区町村以外の認可保育園を希望する場合には、市区町村同士のあっせんによる特別な扱いでの申し込みになる。

 引っ越しする際、気になるのは自治体によって保育料の額が異なることでしょう。これは、家賃(住宅費)とのバランスから考えることが大切です

 2つの自治体の例を挙げてみましょう。大田区の家賃相場は13万7550円、保育料は中間層で4万9400円なので合計18万6950円(2015年時点、以下同)。一方、川崎市では7万円と保育料は高いですが、家賃相場が11万6800円なので合計は18万6800円で、大田区とあまり相違ありません。

 多少家賃が高いエリアでも、保育料が安ければ相殺されるということです。

――次回の「下」の記事では、新制度化に伴う新たな問題として浮上している「3歳の壁」を、詳しくお届けします。

(構成/山田真弓)