CASE2 自分の子どもの嘘を信じて、クレームを言ってくる

Q. 同じクラスにいじめっ子の男の子がいました。その子は、自分が他の子をいじめているのに、家に帰れば自分がウチの子にいじめられたとウソを言っています。そのため、いじめっ子のママから、ウチの子が保育園でいじめてきたとするクレームの電話をしつこくしてくるようになってしまいました。対処法はありますか?

A. この場合、法律的な手段は考えにくいです。電話してくるだけなら、相手に「もう電話しないでほしいです」と言うのがベストかと思います。これを訴訟とするのは現実的には難しいですね。ただ、クレーム電話が朝も夜もしつこくて精神的に参ってしまい、身体を壊した、などという場合は、また別! ご近所トラブルのような事例として訴訟に持ち込むことは可能かもしれませんよ。

 クレーム電話とは別に、いじめが本当かどうかを明らかにする必要はあると思います。そこで、保育園や学校と協力して普段の姿を撮影するとか録音するなどすべきかもしれませんね。しかし、隠し撮りや盗聴器は法律上スレスレの感じ。関係のないお子さんの顔が分からないような感じで盗聴するだけなどの配慮が必要です。

 実際には、いじめられている子どもに親が、録音できる機器を持たせることがあります。いじめられていることを録音する際には必ず「〇〇君(さん)、蹴るのをやめて」「僕(私)の○○取るのをやめて」と相手の名前や、されていることを分かるようにします。探偵は学校の中に入って調査することはできないので…。学校に調査を頼むよりも、ほとんどは親自身が調査をしています。

 子どものけんかが訴訟に発展するのは悲しいことですが、深刻ないじめの報道も後を絶たないですよね。いじめでけがなどが発生すれば損害賠償を請求することも可能です。けがの程度やいじめのレベルによれば刑事事件にもなるし、子どもの年齢が幼ければ少年事件にもなります。自分が嫌だという態度を明らかにし、そういう証拠をそろえることが大切です。

 逆に、子どもがいじめられていないのに「蹴るのやめて」など嘘の証拠を音声に残して特定の子どもを犯人に仕立てようとしている場合には、その嘘をついた相手がけがをしていない、いじめられていない、という正しい証拠を集めていくことが重要になります。