A. まず前提として大切なこと。「ばらされた」という話は、どの程度の秘密なのでしょうか? その秘密の程度によって対処方法も変わってきます。皆が明らかに知っていることや、社会に出ているような事実であれば、秘密とは見なされないのです。
「誰にも言わないでね」「秘密だよ」とあなたが相手に言ってから話したとしても、客観的に見て話の内容が秘密に値するようなものである場合のみ、秘密と見なされます。
その話が秘密に値するということを前提にすれば、秘密をばらしたママ友に対しては「不法行為による損害賠償請求」が考えられます。ただ、秘密をばらされたことによる損害が実際に生じているのか、損害が仮に生じていたとしても、それは秘密をばらされたことを原因とするものなのか、秘密をばらしたママ友に故意や過失はあるのかという認定の難しさもあります。このことからすれば、実際に損害賠償請求をしたところで何も意味はないままママ友間の関係を余計にこじらせてしまいかねません。ちょっと残念ですが、そのママ友と距離を置くことが一番かもしれませんね。
秘密をばらされて実際に損害が生じる例として、「不倫をばらされて離婚に至る」ケースが考えられます。その場合は離婚に発展して精神的苦痛となり、ばらした相手に損害賠償となることは考えられます。が、本当にママ友がばらしたことによって離婚に至ったのか? という因果関係が難しいですね。さらに、秘密をママ友がばらしたという証拠も必要になります。LINEやメールでのやり取りの記録が証拠としては有効です。ただ、実際に裁判となると、「不倫は本人に非があるから・・・」と考える裁判官もいるかもしれず、そんな裁判官の心情によっても変わってくるでしょう。
実際、「秘密をばらされたので何か言いたいです」という相談が寄せられることはよくあります。そのときにアドバイスするのは、ばらされたことによって被害が生じているのかを明らかにすることです。相手は故意に傷つけようとしているのですか? 訴訟としては厳しいですよ、と伝えることも多いです。解決法としては相手と距離を置く、物理的に離れることです。「人の噂も七十五日」といいます。噂が収まるのを待つのが一番の方法だと思います。