テレワーク(在宅勤務)導入に積極的に取り組む企業の事例を紹介しながら、導入時にぶつかりがちな問題点と対策法を紹介するこの連載。企業へのテレワーク導入支援を手掛けるテレワークマネジメント社の代表、田澤由利さんがお届けします。

 第5回で取り上げるのは、クラウド型の営業支援・顧客管理システムを提供する株式会社セールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース・ドットコム)。総務省の実証事業である地方創生施策「ふるさとテレワーク」を実践するため、2015年10月、和歌山県白浜町に初の地方オフィスを開所しました。家族を連れて横浜から白浜に移住した、白浜オフィス長の吉野隆生氏に、田澤さんがインタビューしました。


会社を辞めず仕事もそのまま、地方で子育てができる社会に

単なる地方転勤ではない。東京の仕事を地方でするテレワーク

 「会社の命令で、地方に転居」というのは、よくある話だ。しかし、全国津々浦々に営業所がある会社ならともかく、東京、大阪、名古屋に続く4番目のオフィスが「和歌山県白浜町」というのは珍しい。白浜町の人口は2.3万人。大阪から特急電車でも2時間以上。東京からの飛行機は1時間15分とはいえ、1日3往復のみ。営業拡大の拠点にはなりえない。実は、セールスフォース・ドットコムは、テレワークで「本社機能の一部」を実施する拠点として、白浜オフィスを開所したのだ。


海を一望する高台にあるセールスフォース・ドットコム白浜オフィス

 地方の仕事を地方でするのではなく、ICTを活用して、東京の仕事を地方でするテレワーク。それが実現できれば、東京での仕事を辞めずに故郷に戻ることができる。夫の転勤に帯同しながら、仕事を続けることができる。自然に囲まれた地方でワークライフバランスを保ちながら活躍することができる。

 こんな新しい働き方を「ふるさとテレワーク」と呼び、国が積極的に取り組んでいる。地方の拠点として、東京や大阪の都心部企業が利用できる「サテライトオフィス」を設置、地方自治体や地元企業が受け入れ体制を構築し、企業と地方が「仕事」でつながる新しい地方創生施策だ。

 「ふるさとテレワーク」のポイントは、「都心部の仕事」を地方ですること。つまり、地方オフィスで働く人は、地方に居ながら「本社の仕事」をする。会社からの転勤辞令で地方の支社に行き、支社の人に仕事を教えてもらうのではない。仕事の内容はこれまで通りだが、どうすれば「離れていても、従来通りの仕事ができるのか」、さらに「東京以上の生産性をどう出すか」。今までに無い挑戦である。

 そんな大変なミッションを抱え、奥さんと小学校に入学したばかりの息子さんを連れ、セールスフォース・ドットコム白浜オフィス長として白浜町にやってきた吉野隆生さんにインタビューした。

次ページから読める内容

  • 東京には無かった、白浜での「家族と過ごす時間」
  • 東京での仕事をそのまま白浜で。生産性も向上
  • 白浜オフィスでは現地雇用? 吉野さん一家はログハウス建築?

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