保活はやり方も結果も人それぞれ。でも、先輩の体験談には知恵がいっぱい詰まっているはず。ぜひじっくり話を聞いて、これからの保活に生かしてほしい――。そんな思いで新企画をスタートしました。前回から紹介しているのは、とある共働きママ(38歳)。結婚を機に、学生時代から憧れだった自然溢れる東京近郊のA市に移住し、息子(6歳)と娘(3歳)を0歳児から第一希望の認可保育園に通わせています。雑誌を制作する編集プロダクションに採用された2週間後に第一子を妊娠。慣れない仕事と初めての妊娠という状況の中、認可保育園の枠を手に入れましたが、その後、長女を妊娠して、2度目の保活を始めて……。「育休中に地元のママ友づくり。でも、保活は孤独」に続く、2本目です。

第一希望の保育園に直接、保活

画像はイメージです
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 保活を始めるうちに理解したのは、認可保育園の入園に関してはA市の一存で決まるということ。書類上のいわゆる「点数」で入園が決まってしまうらしいということでした(今では当たり前に知っていることですが、当時は何も知りませんでした)。

 しかし、疑い深くなっていた私は「園側にもアピールしておくに越したことはないだろう。もしかしたら力を持っている園長の場合は、口をきいてくれるのではないか」と考えました。もちろん、実際に保育園に入園させているママ友からも事情を聞きましたが、これに関しては誰も真実は分からない。でも、可能性がゼロではないなら、やってみたほうがいいと判断しました。

 そこで始めたのは、保育園で週1回開催される一般開放日への参加。そこでは参加する親子同士のコミュニケーションを促進するために、名札を作り、それが名簿に記録されます。どこに住んでいるどんな親子がその場を利用するのかを、園や市が把握するため、という狙いもあるのでしょう。

 たまに副園長先生が同席されているときは、欠かさず挨拶をしました。また、私のように保育園見学を兼ねて来ている保護者もいるようなので、すかさず情報交換。同じ園に入園を目指すライバルでありながら、使える情報を持っているかもしれない貴重な存在です。そういった意味で、希望園の開放日はとても重要な日となりました。

 こうして顔を覚えてくれた副園長先生から「今度、運動会があるから見に来てくださいね」とお誘いが。「行きます!!」。当然です。園児達の様子が見学できるうえに、さらなるアピールができる貴重なチャンス。間違っても仕事を入れてはいけないと、手帳にしっかりメモしました。運動会当日も副園長先生にお礼がてらご挨拶を。在園児に配るお絵かき帳までいただき、なんだか保活のお守りのように感じました。

 副園長先生には何度かさりげなく「こんな園に息子が入れたらうれしいです」と入園アピールをしてみましたが、微笑むだけで手応えなしです。「ならば園長先生にもご面会したい」と気がはやりましたが、あまりにもガツガツしている感じが否めないのでやめました。