子どもはゲームが好きだ。「子どもが毎日のようにスマホやゲーム機でゲームをしたがる」と悩んでいる保護者は多い。何かと目の敵にされがちなゲームだが、ゲームにはどのような影響や可能性があるのだろうか。新聞に掲載されたデータや事件から、子どもへのゲームの影響と可能性について見ていこう。

【事件を読む!】長時間のゲームプレイは子供の言語機能に悪影響

 今回取り上げる記事の一本目はこちら。


財経新聞 長時間のゲームプレイは、子どもの言語機能などに悪影響—東北大・竹内光氏ら
http://www.zaikei.co.jp/article/20160115/287414.html

◇記事のポイント◇

○東北大学竹内光准教授・川島隆太教授らの研究グループはビデオゲームの長時間プレイが脳の言語性知能低下につながるという研究成果を発表
○ビデオゲームプレイは視空間能力に対する好影響がある一方、特定タイプの言語記憶、注意、睡眠、学業、知識などに対する悪影響があると知られている

 内閣府調べ(平成23年)によると、小学生はニンテンドーDS(DS Lite、DSi、DSi LL含む)は89.3%、Wiiは62.5%、プレイステーション・ポータブルは18.8%など、ゲーム機の所持率が高い。実際、筆者が小学生保護者に聞くと、小学生ではゲーム機やゲームに関するトラブルが目立つようだ。

 以前、LINE等の無料通話アプリを長時間利用している子どもほど、学力が低いことを示した調査があった。「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」によるもので、仙台教育委員会の他、こちらもやはり東北大が参加している。


財経新聞 スマホ無料通話アプリの利用が多いほど学力が低下—仙台市教育委と東北大が調査
http://www.zaikei.co.jp/article/20150321/241523.html

 この時は、平均1日当たりの通信アプリの利用時間は、勉強時間や睡眠時間の短さによる学力低下への影響力よりも強いという指摘がされていた。

 双方とも、相関性はあるが、因果関係が証明できているわけではないようだ。ゲームでもLINEでもやりすぎると良くないことは間違いないだろう。ゲームやLINEの時間が増える分、学習や他のリアルな体験をする時間が減少することを考えると、何らかの悪影響が出てもおかしくはない。むやみに心配しすぎる必要はないが、保護者としては子どもがゲームやLINEなどをやりすぎないように見守る必要はあるだろう。