入社後は「前の会社と比較しない」「成果を焦らない」こと

 「転職に成功する」ということは、志望企業への入社を果たすことではなく、転職先で力を発揮して活躍すること。そのためにはまず、既存社員に受け入れられ、よい関係を築く必要があります。

 入社直後に失敗する人の代表例は、「前の会社と比較して、劣っている点を指摘したり批判したりする人」。本人に悪気はなく、むしろ「自分が持っているノウハウを生かして改善に導きたい」という前向きな気持ちであったりするのですが、既存社員にしてみれば気分のいいものではなく、抵抗感を持たれてしまいます。

 うまく職場に溶け込んでいる人は、その会社の現状を一旦すべて受け入れ、「どうしてそうなっているのか」を冷静に分析したうえで、タイミングを見計らって改善の提案をしています。「早く成果を出さなければ」と焦るのは禁物。まずは組織になじむことから始め、段階を追って進めていくことが大切です。

地方へのUターン・Iターン転職で心得るべきこと

 30~40代の皆さんの中には、「子どもを自然豊かな環境で育てたい」あるいは「故郷に戻って親の面倒を見たい」といった理由から、地方へのUターン、Iターンを希望する方も多数いらっしゃいます。そこで、Uターン・Iターン転職を支援する株式会社リージョナルスタイルの植田将嗣さんに、地方への転職で成功する人、失敗する人の違いをお聞きしました。


植田将嗣さん

 成功している人に共通するのは、「幅広い業務に対応する姿勢がある人」だといいます。大都市圏でキャリアを積んだビジネスパーソンが、地方で「キャリアを生かせて、やりがいを感じられる仕事」を手に入れようとすると、「地場企業の経営幹部」という選択肢が挙がってきます。創業社長から経営権を譲り受けた40~50代の二代目・三代目社長が、自身の「右腕」「パートナー」を求める求人案件は多数。あるいは会社の組織体制を整えるため、経理・財務・人事といった管理部門人材の採用ニーズもあるそうです。

 「こうした企業では、『自分の専門はこれ』『自分の守備範囲はここまで』と区切る人は受け入れられません。必要に応じ、幅広い業務に柔軟に対応する姿勢を持った人が歓迎されます」(植田さん)

 「また、仕事面だけでなく、移住後のライフスタイル全体をイメージしたうえで転職活動に臨んだ人が成功しています。地方に移ればほぼ確実に年収は下がるし、自分と家族のライフスタイルそのものが変わることになります。その変化をイメージし、ちゃんと『覚悟』をして、家族の同意を得る。それによって失敗は防げるでしょう」(植田さん)

 次回は転職サイトや転職エージェントの活用法について、専門家のお話を紹介します。

(取材・文/青木典子 写真/鈴木愛子)